昨日は「第2回 阪急ゆめ・まち親子チャリティコンサート」にご来場頂きまして、誠にありがとうございました。「地域環境づくり」と「次世代の育成」を重点領域に、阪急阪神ホールディングスグループ全体で取り組む社会貢献活動「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」の一環として行われたこのコンサート。
チケット売上すべてを支援が必要な子供たちのために寄付するチャリティコンサートとして企画されました。
このコンサートは子供の為のコンサートなので、当日子供が一緒に来場することがチケット購入の条件となっています。
ナビゲーターとして元・宝塚歌劇団花組トップスター 春野寿美礼さんを迎えることも話題となっていますが、彼女のファンもこの条件を満たしていないと入場出来ません
本日のマエストロは船橋洋介さん。 プログラムはアンダーソンの軽快な曲やフィギュアスケートで有名になったハチャトリアン“仮面舞踏会”よりワルツやラヴェルの“ボレロ”などの名曲プログラム。
いちばんのお楽しみはサン=サーンスの“動物の謝肉祭”を、新たな編曲と脚本で子供の夢の中の物語に置き換えて演奏することです。 そしてその語り手が春野寿美礼さん!
この曲、本番では1部の最後なんですが、進行の関係でまずこの曲からゲネプロはスタートです。
語り手といってもただ脚本を読むだけではなく、歌うや身振り手振りも交えたちょっとしたお芝居仕立てになっています。
オーケストラを前に語り始める春野寿美礼さん ゲネプロから

春野寿美礼さんは全体のナビゲーターも担当されています。 曲の紹介も大切な役割ですが、何よりも会場の雰囲気作りや子供に関心を持たせる事が必要となります。
ナビゲーターとして曲紹介をする春野さん ゲネプロから

プログラムの2部ラストの曲はラヴェルの“ボレロ”。 この曲は本当に人気がありますね。 まず2小節で成り立っているボレロのリズムをスネアドラムが169回も繰り返し刻みます。 その上を、いろんな楽器でメロディを徐々に大きな音で奏でていくというシンプルな曲ですが、やはり子供にもこの曲の格好良さは分かります。
本日、スネアドラムを指揮者前のスペシャル席で叩いたのは坂上弘志です。
高い集中力が要求される“ボレロ”のスネア 叩くのは坂上弘志 ゲネプロから

弱奏から始まって、徐々にクレッッシェンドしていき強奏になっていく中で欠かせないのが、途中から追加されるもうひとつのスネアドラム。 音のダイナミズムを出すためには必須です。 こちらはパーカッションの定位置で演奏するため、意外とスネアが2台になった事を知らない人もいるほど。 こちらは久保田善則が担当です。
冷静な表情でもう一つのスネアドラム叩く久保田善則 ゲネプロから

今回は特別に本番もカメラ撮影が許可されました。
撮影場所が限られているため上手からの映像に限られてしまい、弦楽器パート全体の写真なんかは撮れないのですが、緊張感にあふれた雰囲気はお届け出来ると思います。
まず何といっても、春野寿美礼さん! ゲネプロから本番用の衣装に着替えてナビゲーターとして登場です。
ナビゲーターは春野寿美礼さん

大阪フィルメンバーの黒い衣装の中にあって、春野さんはとっても華やかです。 さすが元宝塚歌劇団トップスター、存在感やオーラが違います。
首席客演コンマスの崔文洙と春野さん、そしてマエストロ

プログラムのオープニングはアンダーソンの曲から2曲。 “舞踏会の美女”についで演奏したのが“トランペット吹きの休日”。 やはりこの曲は盛り上がります。 ステージを見つめる子供達の真剣な目が印象的でした。
右から秋月孝之、橋爪伴之、松原健二

ブログを書き込んでいて思う事があります。 指揮者やソリストを狙って写真を撮るとどうしても弦楽器がバックになってしまいます。 それも前のプルトや、客席側の1stヴァイオリンやヴィオラなどは写真に映る機会は多いのですが、管楽器奏者や2ndヴァイオリンやチェロなどは露出機会が少ないのです。 本当はブログ読者の皆様には奏者全員の事も紹介したいと思っていました。 そうしたところ、今回の曲が“動物の謝肉祭”です。 この曲は楽器紹介のコーナーがあるので、この機会にまずは管楽器を紹介しますね。 パートごとの紹介記事なんかも、「大阪フィルの間」のようなものを別に作っていきたいと思っています。 なので楽器自体の紹介はまたの機会にします。 撮影位置の関係でパーカッションや弦楽器のパート別写真(ハ-プ含む)などが撮れなかった事を先に断っておきます。
まずはフルートです。 右から野津臣貴博とエキストラの江戸さん。 ピッコロの井上登紀は映っていません。 ごめんなさい。 野津は先日の「いずみホール」でモーツァルトのソロを演奏したばかり。 お疲れさまです。

次にオーボエです。 チューニングで最初に音を出す楽器ですね。 右からエキストラ戸田さん、大森悠

そしてクラリネット。 楽器の大きさが違いますがすべてクラリネットです。 右から金井信之、エキストラ古賀さん、田本摂理。

こちらは大きさが違いますがどちらもファゴットです。 右から熊谷将弘、宇賀神広宣。 ピンボケお許しを。

ホルンです。 前列右から、池田重一、山本英樹 後列右から、村上哲、エキストラ蒲生さん。

改めてトランペットです。 先ほどはブラヴォーでした! 右から秋月孝之、橋爪伴之、松原健二。

トロンボーンです。 右から吉田勝博、安藤正行、ロイド・タカモト

チューバです。 ごめんなさい、撮影位置から角度がなく楽器だけで顔が映っていません。 川浪浩一です。

楽器紹介が終わったところで、いいよ“平成版 動物の謝肉祭”の始まりです。 語りは春野寿美礼さん。
マエストロの横、ソリストの位置にスタンバイOKです。
春野さんの語りが始まります。

色々な声を使い分け、幾通りもの登場人物(動物)に成り切って話します。 途中、歌もうたったり、お芝居仕立てになっていて、見応え聴き応え十分。 話の中でいろんな楽器が動物になります。 オーケストラの魅力を彼女の語りが引き出します。 今までに聴いた事のないとても楽しい“動物の謝肉祭”でした。 子供たちはもちろん、親御さんも大喜びでした。
成りきって語る春野さん。表情もコロコロ変わります。

休憩をはさんで第2部のプログラムは、お馴染みの「指揮者体験コーナー」を経て、ハチャトゥリアン“仮面舞踏会”よりワルツ、ブラームス“ハンガリー舞曲第5番”と続きます。 そしていよいよ最後の曲ラヴェルの“ボレロ”ですが、どんどん増していく音の厚みと大きさに子供たちも大喜び。 注目のフロントに座るスネアドラムの坂上弘志も格好良かったです。 久保田善則もしっかりささえました。 また、マエストロの指揮もコンマス崔の動きも、視覚的な効果という観点から見てもバッチリです。 写真で見ても絵になっています。

大歓声に応えてアンコールはオッフェンバック“天国と地獄”。 春野さんも拍手で参加です。 演奏終了と同時のショットが下の写真です。 コンマス崔の最後の一音のアクションは身内ながら惚れ惚れしますね。 春野さんは終始笑顔です。

2時間のコンサートはあっという間に終了です。 マエストロの満足気な表情がすべてを物語っています。
春野さんも満面の笑みです。 今回のコンサート、チケットはほぼ発売と同時に売り切れたとのこと。
お客様がこの日を待ち望んでいたのがわかる、そんな熱いコンサートでした。
これをきっかけに来場してくれた子供さんにはクラシック音楽を聴いて欲しいし、願わくはまた別のコンサートにも足を運んで欲しい。 そんな事を考えながらお客様のお帰りを見送っていました。
とても充実した時間を過ごす事が出来ました。 有難うございました。
