「ブラヴォー!」の声が飛び交い、盛大な拍手は鳴り止む気配はありません。
マエストロ井上道義が再びステージに登場し「来年もマチネ・シンフォニーやります! 来年は4月18日で、惑星やります! 今日は有難う!」 と叫んで演奏会はお開きとなりました。
これ、夕方16時の光景です。 真っ昼間に大音量で“三角帽子”を演奏していたのです。
「マチネ・シンフォニーVol.6」は大盛況のうちに終了いたしました。
ご来場頂きましたお客さまには、この場を借りて御礼申し上げます。
プレトークでマエストロ自身がお話されていましたが、実はこの日マエストロは体調不良でした。 ゲネプロもご自身でセーブされていたように見受けられましたが、本番になるとサスガはマエストロです。 ミッキーワールド全開でした!
「この日のプログラムはサンドウィッチです」とマエストロもプレトークで話されていた通り、最初と最後の曲をファリャの“三角帽子”第1部と第2部ではさんで、あいだにロドリーゴ“アランフェス協奏曲”とラロ“スペイン交響曲”をやるという オールスペイン なプログラムでした。
「I LOVE スペイン!」と叫びたくなるほど熱く情熱的な“三角帽子”第1部の流れを受けて、村治佳織さんがステージに登場です。 本番の赤いドレスはずっと下の写真をご覧下さい。 本番を終えた村治さんが楽屋に戻って来ると、ひと足先に戻ってきていたマエストロが「良かった! 特にアンコールのアルハンブラは完璧!」と話しかけておられました。
プレトークでマエストロは 「ギターの音はそれほど大きくないので、本来はもっと小さなホールでやるべきなのです。 今回は出来るだけバランスを考えて編成を小さくしました。」 と語ったとおり、弦楽器も思い切って刈り込んだ編成で臨みました。 ゲネプロも本番もそうですが、村冶さんがステージに登場するだけで明るく見える。 自分自身で輝けるという意味で スター なんだなあと感心しました。
村治さんはギターを弾く姿勢が美しいです。 背筋が伸びて基本伏目がちに弾かれていますが、時折り遠くを見るところなんか、ファンはたまらないのでしょうね。
まったく姿勢は乱れないのですが、とても熱いアランフェス。 判っていても、2楽章のコールアングレとギターで切ないメロディを掛け合うところは胸がいっぱいになり、全曲聴き終わるとスペインの熱い太陽の光を確かに感じました。
村治さんの右奥のロボットみたいな機械、これは専用のスピーカーです。 どうしてもギターは繊細な楽器のためPAのチカラが必要となるのですが、このスピーカーは純粋にギターの音だけを飛ばしてくれる優れものだそうです。 なんだか可愛いですね。
村治佳織さんのアンコール曲“アルハンブラの思い出”の余韻を引きずった形での休憩が終わると後半の開始。 颯爽と三浦文彰さんがステージに登場です。
このヴァイオリンがまた熱い! お客さまの度肝を抜く演奏とはこの事です。
全身を使ったエネルギッシュな弾き方から生まれる熱いサウンド。 これぞ スペイン です! マエストロも彼のヴァイオリンを絶賛しておられました。
“スペイン交響曲”は初めて弾いたという三浦さん。 「とにかくパッションを届けたい!」と語っておられましたが、皆さまの元には届きましたでしょうか?
前半終了後の楽屋前でコンサートマスター長原幸太と村治佳織さんの2ショットが実現しました。 お二人様、お疲れさまでした!
彼女の楽屋前にはたった今演奏を終えたメンバーが集まって来ます。 「彼女の演奏を称えたい」というだけではなく、どうやら多少はミーハー的な気持ちもあるのでしょう。 当然です、そういった気持ちこそが健全だと思うのです。 「彼女をバックで盛り上げてあげよう」という気持ちこそが、名演奏の鍵なのですよね。
村治さんがメンバーと話しているところをパチリ! これも絵になるんですよね。
三浦文彰さんの楽屋にはお父様もいらっしゃいました。 ご存知のように東京フィルのコンサートマスターでいらっしゃるお父さま。 今年の東京フィル7月定期を大植監督が振った時に、コンサートマスターとして随分助けて頂きました。 せっかくなので2ショットをお願いしました。 はいチーズ!
三浦さんはまだ19歳。 とても大きな音楽を作られる方で、本格派ヴァイオリニストへの道を進み始められたばかりです。 また共演させて下さいね。
体調が優れないといいながら、あれだけのパフォーマンスを見せてくださったマエストロ。
お疲れのところ1枚写真を頂きました。 なかなかスゴミのあるマエストロです。
「来年は惑星やります!」と語った以上、どこまでも長いお付き合いを期待いたします。
どうもお疲れさまでした!
全てを終えてザ・シンフォニーホールを後にして交差点に差し掛かったところで夕日が!
あの熱い スペインサウンド を大音量で聴いて、達成感と共に会社に戻ろうとしていた時だけに驚きました。 そうです、マチネの演奏会は終演後も楽しめるのです。 今から夜を迎えます。
食事でも飲みでもショッピングでも、はたまたさっさと家に帰ってマイホームを楽しむにも、時間はたっぷりあります。
このコンサートが長く根付くことを望む私は、会社へと戻りました。