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2013年01月 | ARCHIVE-SELECT | 2013年03月

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シーズン最後の定期演奏会、本日初日です!

練習3日目のレポートをする前に、今回のワーグナー「ニーベルングの指環」で使用されている楽器で、珍しいものをご紹介しましょう。

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真ん中でトロンボーンを持っているのが、今回の定期演奏会を最後に退団が決まっている磯貝富治男です。
その右隣、同じトロンボーンでもとんでもなく大きい楽器がコントラバストロンボーン  
通常のテナー・トロンボーンより1オクターブ低い楽器で、普通の操作でスライドをテナー・トロンボーンの2倍伸ばしたのと同じ効果が得られるそうですが、スライドはたいへん重く、速いパッセージを演奏するのは難しいようです。
写真は今回演奏して頂くエキストラの三田博基さん。 よろしくお願いします!

磯貝の左隣の楽器が、バストランペットです。
マウスピースの関係からも、ユーフォニアム奏者かトロンボーン奏者が吹くケースが多い楽器です。
今回演奏して頂くのは、吹奏楽界のスーパースター 外囿祥一郎さんです。
外囿さんは、昨年ロリン・マゼール指揮のN響でもやはり「指環」管弦楽版を演奏されています。

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実際の演奏では、上手寄りのチューバの隣に、三田さんのコントラバス・トロンボーン。
センターのティンパニー前に、磯貝の吹くトロンボーンと外囿さんのバストランペットが並びます。
本番ではチェックしてみてください

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今回の定期でコンサートマスターを務める崔 文洙のチューニングで練習開始!

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練習場に準・メルクルさんがいらっしゃるのが驚きではない感覚、凄いですね。
さすがに3日目になると慣れてしまいましたが(ナント贅沢な!)、指揮をされると改めて「さすがメルクル!」と思ってしまいます

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ワーグナー「指環」はめったに演奏する曲ではないので、最初の練習から3日目ともなると随分変わってきました。
マエストロのイメージされている音楽と実際の大阪フィルのパフォーマンスはどうなのでしょうか
演奏を通した後には「ブラヴォー!」と声をかけていただきましたが・・・

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この日もアーティキュレーションやフレージングなどの違いを、身振手振りを交えて解説して頂きました。
いよいよ本番です

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煌びやかな金管サウンドのイメージが強いワーグナーですが、木管楽器も聞かせどころ満載。
「指環」の木管楽器1番奏者、このメンバーです
フルート上野博昭、オーボエ浅川和宏、クラリネットはブルックス・トーン、ファゴット久住雅人。
上の段には左から、バストランペット外囿祥一郎さん、トロンボーン磯貝富治男、安藤正行の顔が見えます。

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ワーグナーの弦楽器、難しいです。
1stヴァイオリンやチェロの奏でるメロディーももちろんですが、2ndヴァイオリンやビオラの内声部も本当に大切です。
楽器の並びは通常配置ですので、上手外側にはビオラ、その内側にはチェロ。

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上手後ろにはコントラバスが並びます。

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下手外側には1stヴァイオリン、その内側には2ndヴァイオリン。
下手後ろにはハープが2台並びます。

マエストロ・メルクルと大阪フィルが作り上げるワーグナーサウンド
皆さま、ぜひともライブでお聴き下さい

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ワーグナーに先駆けて前半で演奏するのは、シューマンのピアノ協奏曲です。

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ソリストは2000年ショパンコンクール、ユンディ・リに次ぐ2位となったイングリッド・フリッター。
コンクール後の活躍には、目覚しいものがあります。

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マエストロとイングリッド・フリッターさんは海外では共演されたことがあります。
昨日の練習終了後も、ずっとお二人で打ち合わせをされていました。

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内省的でリリシズムに溢れたロマン派シューマン唯一のピアノ協奏曲。
リパッティやケンプ、ルプー、フライシャー、アルゲリッチといった名盤が数多くある曲だけに、皆さまのこだわりもたくさんお有りだと思います。
しかし、イングリッド・フリッターさんのシューマンも素晴らしいですよ

ワーグナーの前に演奏されるだけに、爽やかな清涼剤のような演奏が好ましいのかもしれませんね。
イングリッド・フリッターさんの演奏は爽やか且つ存在感のしっかりした見事な演奏です。
コチラをメインで定期に来られる方も多くあるように伺っています

とてもバラエティに富んだシーズン最後の定期演奏会、ぜひライブでお聴きください

当日券は、たくさんございます

「準・メルクルさんのワーグナー「指環」というだけでお客さまは来ていただける
そんな甘い読みをしていた訳ではありませんが、正直もう少し多くの方に聴いて頂きたいと思っています

どうぞ今からでも、お越し下さい。

当日券は17時半からA席6000円からC席4000円までを販売致します。

そして、学生・シニア当日券ですが、本日初日は必ず販売します。
25歳以下の学生さんと60歳以上の皆さまは、身分証があれば1000円でご入場いただけます!
該当される皆さまは本当にラッキー だと思います。
ただし、お席のご指定はして頂けませんので、その点はご了承くださいませ。
チケットは18時半からの販売となりますので、ご注意くださいませ。

明日の「学生・シニア当日券」は改めてツイッターやブログでお知らせ致しますが、一般当日券を含めて残券があれば販売致します。


マエストロ 準・メルクルと大阪フィルの夢の共演、どうぞライブでお聴きください

(広報:H.I)

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。
※プレトーク・サロンを18時半より2階ホワイエで行います。お立ち寄りください。

※学生・シニア当日券を1000円で販売致します。 25歳以下の学生と、60歳以上のお客様は開演30分前の時点で当日券がある場合、お1人様1000円で入場頂けます。 ご入場の際、学生の方は学生証を、60歳以上の方は年齢を証明出来るものをご提示いただきます。 なお、座席はお選び頂けませんのであらかじめご了承願います。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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| 定期演奏会 | 14:00 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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「第466回定期演奏会」練習2日目をレポートしましょう!

シーズン最後の定期演奏会、練習初日はとても新鮮で、音楽することの喜びに溢れたものになりました
それを受けての、練習2日目です

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この日も、首席客演コンサートマスター崔 文洙(チェ・ムンス)のチューニングで練習スタートです!

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「皆さま、よろしくお願いします」
そう言い、マエストロは静かに指揮棒を構え、それを少し動かすと・・・

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音楽が流れ始めました

昨日の練習はとても充実したものでした。
そして、この日の練習はさらに実りの多いものになりました

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メンバーは全員が「ニーベルングの指環」のストーリーを正確に知っている訳ではありません。
しかし、マエストロの指揮で紡ぎ出される音楽は、その風景が浮かぶような音楽です。
「マエストロの指揮は現在どんな場面を演奏しているのか、イメージ出来るんだよ。マエストロが「指環」を知り尽くしておられるからなのか、なんだか不思議だよね 」 あるメンバーが語っていたのが印象的でした。

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その言葉でハッとしましたが、皆さまは「ニーベルングの指環」のストーリーはご存知ですか?

せっかくなので簡単に申し上げましょうか・・・

全世界の支配が可能となる魔力を備えた黄金の指環をめぐり、ヴォータンをはじめとする天上の神々、ファーフナー、ファーゾルトといった地上の巨人たち、ジークフリートを代表とする人間、アルベリヒなどの地下のニーベルング族が激しい指環の争奪戦を展開します。 しかし、指環にかけられた恐ろしい呪いのため、争った者たちはことごとく滅んで行きます。 最後に、人間の英雄ジークフリートまでも殺され、ジークフリートの妻ブリュンヒルデは、ラインの娘達に指環を返し、自らは火中に身を投じてしまいます。 天上のワルハラ城は炎上し、神々の世界は消滅しますが、真の愛が蘇るといったお話です。

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なんかこんな風に言ってしまうと身も蓋も無い感じですね
しかしそこで語られるのは、愛と憎しみ、出会いと別れ、生と死といった今も昔も変わらない普遍的なテーマです。
なので、誰もが「指環」のストーリーには親しみを覚えるのでしょうね
「指環」は多くのの映画にも影響を与えています。
「ロード・オブ・ザ・リング」はそのものズバリですし、「スター・ウォーズ」などはストーリーだけでなく、音楽面でもライトモチーフといった手法を使うなど、その影響の強さが感じられます。

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ライトモチーフ(示導動機) とは、1小節から3小節程度の短く特徴的な音型で、オーケストラで演奏されます。
それはあらかじめ決まった「人物」や「物」、「できごと」、「感情」等を音型で表現したもので、それが鳴ると、音楽だけで誰が何をしたのかが判るというものです。

先日のNHKーEテレ「らららクラシック」で“ローエングリン”を題材に、指揮者の飯守泰次郎さんが丁寧にライトモチーフを語っておられましたが、ご覧になられましたか

ワーグナーの音楽にはこのように、色々と仕掛けがあります。

しかしなんと言っても、その壮大な音楽は聴く者を圧倒し、魅了します

先日のブログで「予習する方のために」という事で演奏曲について書きましたが、特に予備知識なく音楽を聴いても十分に楽しめることは、ワタクシ補償致します

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マエストロの指揮はとても正確で美しいのです
そして、前後左右に激しく動かれます。
ヴァイオリンやハープ、ホルンに向かってサインを送る時は、 ご覧のように左ギリギリの位置に立たれます。

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そして、チェロやビオラ、コントラバス、トロンボーン、チューバなど上手の弦楽器に向き合われる時は、指揮台の右端ギリギリの所に立って指揮されます。

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もちろん真ん中に立って指揮されることが基本です。
この指揮台での移動を、ほとんど下を見ずにされているのですが、これって凄いと思うのです
バタバタではなく、スッとした動きが特徴的なマエストロの指揮。
実際にご覧になられると、魅かれることと思います

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管楽器も聴かせどころたっぷりの「指環」。
中でも“ジークフリートのラインへの旅”でのホルンの大ソロは難しいのは当然ですが、メチャクチャ格好いいソロなんです
これを吹くのは、ホルントップ奏者村上哲です。
周囲のホルン奏者の表情からも、その緊張感が伝わってくるようですね

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村上哲のホルンソロだけでなく、奏者それぞれに重要なソロがまわってくるホルンセクションは、紛れもなくこの曲の主役です。
後列に並ぶ5番~8番の奏者は、ワーグナーチューバ持ち替えで演奏します。

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トランペットも聴かせどころがたくさんあります。
ワーグナー「指環」で1番を吹くのは、ご存知秋月孝之です。
この写真、他にも皆さまよくご存知のメンバーが演奏しています。
誰だか名前はお判りですか?

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さすがに定期演奏会です。管楽器のメンバーもほぼ全員が乗っています。
そして注目頂きたいのは、ダブルのティンパニを含む打楽器奏者
こちらも全員、色々な楽器を駆使し大迫力のパフォーマンスを披露してくれますよ!

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休憩中に談笑するマエストロとコンマス崔。
この光景、よく見ます
何だかイチバン嬉しく微笑ましい光景なんです

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ワーグナー「指環」を全部通してみて、休憩に入りました。
そして練習再開です!
パーソナルマネージャー服部喜久男が紹介します。

「ソリストのイングリッド・フリッターさんです!」

メンバーの拍手に 両手を振って応えるイングリッド・フリッターさんの姿が新鮮でした

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練習が始まる前、マエストロと言葉を交わすイングリッド・フリッターさん。

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オーケストラの強奏1発後、鋭い付点のリズムでいきなりピアノが登場です。
シューマンが残した唯一のピアノ協奏曲、美しい曲です
2楽章から3楽章へはアタッカで入ります。

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オーケストラの演奏を譜面を見ながらチェックするイングリッド・フリッターさん。

1973年、アルゼンチンのブエノスアイレス出身。
2000年のショパンコンクールで、優勝のユンディ・リの2位になった事は記憶に新しいのではないでしょうか。
ベルリン響、サンクトペテルブルク響、クリーヴランド管、ロスフィル、サンフランシスコ響など、世界のオーケストラと共演を重ねる、今が旬のピアニストです。

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マエストロはオーケストラを少し抑え目に、ピアノを際立たせようとされています。
イングリッド・フリッターさんのピアノを聴いて、マルタ・アルゲリッチを思い浮かべましたが、彼女はアルゲリッチに見出されたそうですね。
凄い偶然でびっくりしました。
元気!の出るシューマン。 そして美しい音色です。
練習終了後、ずっとマエストロと話しこまれていたフリッターさん。
明日の練習で何かが変わるのでしょうか、楽しみです

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ご覧の写真はシューマンの管楽器のメンバーです。
ワーグナーとは1番吹きが全然違いますね。
奏者同士で、誰がどっちを吹くのかを相談して決めております。
まずシューマンを演奏して、ワーグナー。
御贔屓の奏者の演奏、どちらかで聴けそうですか?
それも楽しみ方の一つですね。

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今回の定期を最後に、退団が決まっているトロンボーントップ奏者の磯貝富治男。
大学卒業と同時に大阪フィルに入団し、1976年から現在に至るまでずっとトップ奏者で1番パートを吹き続けています。

磯貝富治男に聞きました

「恵まれた音楽人生を歩んできたと思います。 大阪フィルを辞める瞬間まで、第一線でしかも1番を吹かせて頂くというのはとても光栄な事です。 と同時に、言葉では言い尽くせないほどのプレッシャーや大変な思いもしてきました。 何といっても、50歳を超えてからの10数年、大病を患ってからの5年はきつかった。 30代、40代で当たり前にオケでちゃんと吹けた事が、50代になるとちゃんと吹く事が大変で・・・これは経験した者にしかワカラナイと思います」

うーん、軽々しく何かを言える感じじゃないですね。 
誰もが直面する可能性のある問題です。 ここまで大変だったと思います。

「プライドですかね、それが有ったからやって来れた・・・。 朝比奈隆、私はあえて親しみをこめてオッサンと呼びますが、オッサンの一番輝いていた時代から、晩年、亡くなった時、大植さんの時代と、その時々をファンの皆さんと一緒に過ごしてきました。 オッサンを守るのはオレや、そんな思いもありました。 昔は個性的なプレイヤーも多く、大フィル独特のサウンドを売りにしてましたが、熱狂的なファンの皆さんに支持されていました。 東京文化でのソロカーテンコールやサイン待ちの列など、地元大阪を離れても凄い人気でした。 名古屋での最終公演は寂しかったなぁ。 弦楽器のメンバーは、いつオッサンが倒れて来ても受け止める覚悟で弾いているのが判りました。 オッサンと別れる時が、そう遠くない時期にやってくるんだなあと思いながら吹いていました。 大植さんの登場は新鮮でした。 パワフルで明るい。 大阪フィルは新しい時代に入ったんだなあ、もう大丈夫や。 色んな事を感じながらその時々をやはりトップでトロンボーンを吹いてきました。 そんな大阪フィルのトップを張っているんや、そのプライドがあったからやって来れたのでしょうね。」

磯貝の話は続きます。

「退団後ですか、後進の指導をしていきます。 アマオケでは指揮もやっていますし、トロンボーンを吹く機会もあるでしょう。 ただ、本当のところどうなるのか予測出来ないですね。オケの無い生活、時間に追われない生活、ピンと来ないです。 でも楽しみたいですね。 時間を大切に使いたい。 最後の演奏を終えると、どう感じるのか判りませんが、もう苦しまなくても良い、その解放感が今はありますね。 もちろんちょっと時間が経つと寂しいと思うでしょうね。 ファンの皆様には本当にお世話になりました。 ここまでやって来られたのは皆さまのおかげです。 心から感謝申し上げます。 これからも大阪フィルをよろしくお願いします。」 

本番の磯貝の姿もまた見ていただきます。
ずっと大阪フィルを牽引してきた磯貝のラストステージをご注目くださいませ。

                   

何かと話題の多い「第466回定期演奏会」ぜひライブでお楽しみください!
チケットはまだ余裕がございます。
私たちのホームグランド、ザ・シンフォニーホールでお待ちしています

(広報:H.I)

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。
※プレトーク・サロンを18時半より2階ホワイエで行います。お立ち寄りください。

※学生・シニア当日券を1000円で販売致します。 25歳以下の学生と、60歳以上のお客様は開演30分前の時点で当日券がある場合、お1人様1000円で入場頂けます。 ご入場の際、学生の方は学生証を、60歳以上の方は年齢を証明出来るものをご提示いただきます。 なお、座席はお選び頂けませんのであらかじめご了承願います。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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マエストロ・準・メルクル、大阪フィル会館に初登場です!

シーズン最後の定期演奏会の練習が始まりました。

待ちに待った3月定期、その理由は指揮者にあります。
ずっとオファーを投げていて、漸く実現したある指揮者との共演、チラッとマエストロの顔が見えていますね

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首席客演コンサートマスター崔 文洙(チェ・ムンス)のチューニングから練習スタート。
ほどなくしてチューニング完了です!
それでは紹介しましょう

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世界のマエストロ 準・メルクルさんです

「みなさまコンニチハ! よろしくお願いします。」
テレビで見た印象通り、爽やかなマエストロです
 
「これから練習するニーベルンクの指環は4部作15時間以上になる大作ですが、それを音楽的に重要で美しい管弦楽曲だけで50分足らずにまとめました。この曲を一緒に楽しみましょう!」
ざっとそんな事を英語で話され、練習スタートです!

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緊張のファーストコンタクト
「ラインの黄金」“序奏”、壮大なドラマの開幕を華々しく知らせるホルンが次々に鳴り音楽は厚みを帯びて行きます。
マエストロは Good を連発で、褒め称えて気持ち良く練習を進めて行く方のようですね

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1コマも練習すれば、マエストロは大阪フィルの実力・特徴などを掴まれたと思います。
もっと吹け!もっと鳴らせ!というタイプではなく、奏者の生理をちゃんと理解されていて、すっと演奏に入れる雰囲気があります。
具体的にどうすれ良いかを、技術的なところで語られるマエストロ。
と言うか、語らずとも指揮だけですべてを表現出来るスキルをお持ちのマエストロ。

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ワーグナーの音楽は絢爛豪華、音の大伽藍を思わせる圧倒的な音楽です。
弦楽器も管楽器も普段演奏している曲とは違い、とても大変な曲です。
大阪フィルの奏でるワーグナーサウンド、皆さまに満足して頂けますでしょうか。
アーティキュレーションや強弱記号や音のニュアンスなど、本番までの変遷がとても興味深いのですが、最後はもの凄い音楽をお聴かせできるはず
ご期待下さい

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圧倒的な管楽器に気を取られがちですが、実は弦楽器が大変なワーグナー。
弦がしっかりしていれば、その上に管楽器はのりやすいのです。
初日から弦楽器だけの練習も行われました

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ホルン、ワーグナーチューバ越しに管楽器を眺めるとこんな感じです。

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管楽器は「指環」全編を通じて4管編成です。
は、ホルン以外の管楽器の全景です。

フルート3、ピッコロ1(フルート3番はピッコロ持ち替え)、オーボエ3、イングリッシュホルン1、クラリネット3、バスクラリネット1、ファゴット3、ホルン8(うち5~8はワーグナーチューバ持ち替え)、トランペット3、バストランペット1、トロンボーン3、コントラバストロンボーン1、チューバ1、ティンパニ2、打楽器奏者3、ハープ2、弦5部(1stヴァイオリン16型)

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弦楽器の1プルトと、ホルン以外の管楽器1番、2番奏者くらいまでが写真に写っています。
このうち、注目をして頂きたいのが、トロンボーンです。

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写真の右、トロンボーンの1番を吹くのは、磯貝富治男です。
1976年大フィル入団の磯貝は、今回の定期を最後に退団が決まっています。
入団以降、ずっとトップ奏者として1番を吹き続けてきた磯貝。
最後のステージ「ニーベルングの指環」ももちろん1番 を吹きます。
当ブログでは最終公演本番の様子まで、磯貝に完全密着取材を行います。
現在の心境なども、練習2日目のブログで報告します。
どうぞお楽しみに

ちなみに、磯貝の隣でバストランペットを吹くのはエキストラの外囿祥一郎さん。
ユーフォニアム奏者として吹奏楽界のスーパースターです。
現在、航空自衛隊航空中央音楽隊ソリストとして活躍中。
吹奏楽ファンの間では、知らない人はいません

そしてトランペットの1番は、秋月孝之が吹いています。
チラッと顔が見えているので・・・
木管楽器は、フルートが上野博昭、オーボエ浅川和宏、クラリネットはブルックス・トーン、ファゴット久住雅人
が、ワーグナーの1番を吹きます。

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そして、このプログラムの主役と言っても良いのがホルン。
ホルンは全部で9人いますね。
下の段、右から2人目が1番を吹くトップ奏者の村上哲。
1番のアシスタントを含めて、総勢9人態勢です。
上段の4人がホルンをワーグナーチューバに持ち替えるメンバーです。
本番、どうぞ注目なさってください

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マエストロとメンバーのコミュニケーションもばっちり
聞きたい事が聞ける雰囲気、マエストロの人柄が練習でも滲み出しています。
ビオラ、チェロのメンバーに話しかけるマエストロです。

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日本ではN響と水戸室内合奏団以外で指揮される機会はほとんどないマエストロ、百戦錬磨のコンマス崔も初顔合わせだとか。
コンマス崔はいつものようにグイグイとオーケストラを牽引していきます。
本番までに、コンマス崔とマエストロの相談シーンは何度も目にすることでしょうね

さあ、今週木曜と金曜はいよいよ本番です
どうかマエストロ・準・メルクルと大阪フィルが作り出すワーグナーサウンドを聴きにいらしてください。

本日からはソリストのイングリッド・フリッターさんも練習に合流します!
2000年のショパンコンクール、優勝したユンディ・リに続く2位を受賞し、話題になりました。
今回はシューマンです。
こちらも楽しみですね

話題の多い「第466回定期」ですがチケットはまだまだ余裕がございます

素晴らしい音楽を、どうぞライブでお楽しみ下さい

(広報:H.I)

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。
※プレトーク・サロンを18時半より2階ホワイエで行います。お立ち寄りください。

※学生・シニア当日券を1000円で販売致します。 25歳以下の学生と、60歳以上のお客様は開演30分前の時点で当日券がある場合、お1人様1000円で入場頂けます。 ご入場の際、学生の方は学生証を、60歳以上の方は年齢を証明出来るものをご提示いただきます。 なお、座席はお選び頂けませんのであらかじめご了承願います。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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シーズン最後の定期を前に、来シーズンのチラシを紹介します!

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現在コンサート会場で配布中の2013/2014シーズン総合パンフレットです。
来年度定期を指揮して頂く10名のマエストロが表紙を飾ります。
円陣を組むマエストロたち、中心は7月定期に登場の大植英次桂冠です
大植マエストロの右手のトナリで存在感たっぷりに指揮されているのが、シーズン開幕4月に登場するハウシルトさん。
そこから時計回りに、5月フェドセーエフさん、6月フライシャーさん、9月井上道義さん、10月エリシュカさん、11月下野竜也さん、12月ウルバンスキさん、2月デスピノーサさん、3月尾高忠明さんの順に続きます。

今シーズンに続き音楽監督不在のシーズンとはなりますが、色々な指揮者と作り出す音楽を比較して聴いて頂ける贅沢なシーズンとなります

それにしても凄いマエストロが並んだものです

大阪フィル来年度自主公演ラインナップを知らせるブログはコチラ


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が単月のチラシです。
指揮者とソリストをしっかり見て頂きたい、そしてバックの写真はホームグラウンドのザ・シンフォニーホールとなっています。
そして、下の部分は情報を判りやすく掲載。
チラシのカラーは月ごとのテーマカラーとなっています。
4月はやはり桜をイメージしてピンクです かなり濃い目ですが

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5月は新緑のミドリ
6月はスミレの花咲く頃なので、ヴァイオレット

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7月は初夏の海 なのでやはりブルー
9月は初秋の枯葉 をイメージしてブラウンです

デザインを重視した今年のチラシ とはかなり雰囲気が違います。
今年はセンターに大阪フィルの OPO(Osaka Philharmonic Orchestra)をデザインした花?蔦?のようなものから指揮者が湧き出してくるものです。
ワカリマスか
そして縁起が良いとされるパワーストーン勾玉(まがたま)がソリストを囲みます。

         2012-04-12、13 #457
  
今年と来年度の共通点は、カラーです。
4月はやはりピンクです。

2012-05-15、16 #458 2012-06-17、18 #459


2012-07-12、13 #460 2012-09-13、14 #461

5月以降のチラシも、テーマカラーは今年と同じでしょ
まずは前半5回分のチラシをコンサートで配布し始めました。
そんな思いもちょっとだけ意識して、チラシを手にして頂けると嬉しいです

そうそう、今年の年間パンフはコチラでしたね

          2012年度 年間表紙


来シーズンは白ですが今シーズンは黒でした。
定期に登場する10名の指揮者をデザイン!という意味では同じです。
しかも、センターポジションは大植英次・桂冠指揮者、これは変わりません

いちばん左の尾高忠明さんから始まった今シーズンは、右端で腕を組む準・メルクルさんで終わりとなります。

そうです、今シーズン最後の定期演奏会を指揮して頂くのが、準・メルクルさん。

ずっとオファーを出していましたが、ようやく大阪フィル定期のステージで準・メルクルさんの雄姿を見ていただけます

2012-02-28#466チラシ

目眩めく(めくるめく)メルクルさんの音楽の世界 を体験できるこのチャンス!

オペラ指揮者としての地位を確実に積み上げておられる準・メルクルさんが初登場の大阪フィル定期に選んだのは、名刺代わりの「ニーベルングの指環」管弦楽版。
これは、「指環」を知り尽くしているメルクルさん自身が、演奏効果やバランスを考えて抜粋した曲を組み合わせてひとつにしたものです。

ワーグナー生誕200年の記念の年に、なんとも贅沢なプログラムですね

月曜日からはいよいよ練習も始まります。
もちろん練習レポートはお届けいたしますが 、やはり音楽は聴いていただかないと始まりません

ぜひライブで準・メルクルさんの指揮する大阪フィルをお聴き下さい!  
チケットはまだ余裕がございます。

今シーズン最後の大阪フィル定期演奏会にどうぞお越しくださいませ

(広報:H.I)

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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ワーグナーの「指環」準・メルクル版、事前予習される皆さまへ!

2012-02-28#466チラシ

2012年度シーズン最後の定期演奏会は、2月28日、3月1日に行われます。

指揮は待ちに待った準・メルクルさん
日本ではN響と水戸室内管弦楽団くらいでしかお目にかかれない世界的指揮者です。
今回、メルクルさんに指揮して頂くのはメルクルさん自身が抜粋をされたオーケストラで聴かせる「ニーベルングの指環」です。
歌が入ってない「指環」ですね

このメルクル抜粋版の「指環」は、2010年4月、N響オーチャード定期で演奏し話題になったのと同じものです。

「指環」4部作の中からメルクルさん抜粋版はどの曲が選ばれたのか?

来週に近づいた本番の予習のために、教えて!という声も多いので、特別にいち早く抜粋曲を教えちゃいます

Markl Jun c Reinhard Barenz (3)

まず、序夜の「ラインの黄金」からは2曲!
①序奏
②神々のニーベルハイム下降の場の音楽
 の2曲が選ばれています。
「指環」のオーケストラハイライトとして、必ずと言っていいほど登場する“ワルハラ城への神々の入城”は選ばれておりませんので、念のために。

第1夜「ワルキューレ」からは
③ワルキューレの騎行
④「ヴォータンの告別」より 

の2曲が演奏されます。
③ワルキューレの騎行はもちろん外せない選曲。
感動的な名曲④のヴォータンの告別が選ばれ、その後に出てくる“魔の炎の音楽”は演奏されませんので、ご注意願います。

第2夜「ジークフリート」
⑤ジークフリートと大蛇ファーフナーの戦い~ファーフナーの死
が演奏されます。
よく取り上げられる“森のささやきの音楽”は、この戦いの前のシーンで演奏される音楽。
残念ながらメルクル版では演奏されません。

第3夜「神々の黄昏」
⑥夜明けとジークフリートのラインへの旅
⑦ジークフリートの死と葬送行進曲
⑧ブリュンヒルデの自己犠牲(後半)と終曲

この3曲はやはり鉄板ですね
「指環」オーケストラハイライトには、まず必ず入っている曲です。

この8曲、1曲づつ演奏されるのではなく、上手く接続されて演奏されます。

2001年~2004年の新国立劇場「ニーベルングの指環」全曲演奏の成功が大きな話題となったメルクルさん自身の手による「指環」抜粋版。

メルクルさんの指揮で大阪フィルのサウンドはどう変わるのか楽しみです

このコンサート、チケットはまだ余裕がございます。

ワーグナー生誕200年を記念して行なう今回の特別コンサート

ぜひライブでご覧下さい

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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谷村新司さんと“昴”や“群青”を共演しました!

今年4月にオープンするフェスティバルホール。
先月、フェスティバルホールの親会社でもある朝日新聞の全国レベルの大会が、満員のお客様の下、クローズドで行われました。
そして、その大会の第2部で行われた「特別コンサート」を、大阪フィルが演奏させていただきました。

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フェスティバルホールの大きなステージは、大阪フィルが乗ってもこの余裕。
反響板を取り付けてもこれですので、ポップスやロックなどPAを使用して使うのならばもっと大きいステージが現れます。

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今回の「朝日会全国大会」のコンサート、とても感動的でした
このコンサートを、前日リハーサルの模様から順を追ってレポートいたします。

前日リハーサル、まずオーケストラだけの練習を行ないました。

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今回の指揮をお願いした飯森範親さんです。
このところ大阪フィルとご一緒する機会の多いこともあり、どうしたら大阪フィルがよく鳴るか、鳴らし方のツボのようなものもすっかりご存知です

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ただ、この日のオーケストラによる演奏はエルガーの「威風堂々」とあと1曲だけで、ある方との共演がメインプログラムになります。
そうです、4月にオープンするフェスティバルホールに初めてクラシックジャンル以外の方が出演されて、お客さまに歌をプレゼントされます
記念すべき最初のアーチストとは・・・

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谷村新司さんです

オーケストラは最初に「威風堂々」を演奏した後、“Overture featuring SUBARU”を演奏。
名曲「昴」のオーケストラ版ですね
情感たっぷりにオーケストラ演奏で「昴」を聴いていただき、一転してアップテンポのリズムで“チャンピオン”のイントロが流れ出しました。

谷村新司さんが歌いながら登場です!

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谷村さんと飯森マエストロはざっと気になる点を確認し合い、もういちど最初から通して演奏した後、お互いに拍手 で称え合われてました。 

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“チャンピオン”、“いい日旅立ち”、“風の子守唄”・・・
1曲終わるごとにチェックをされる谷村さんと飯森マエストロのお二人。

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オーケストラとピアノによって奏でられる谷村さんの世界。
特にピアノ演奏は歌の伴奏という役割を超えて、とても重要な位置を占めています。
とりわけ“群青”は、ピアノ協奏曲のような迫力です

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オーケストラサウンドで盛り上げて、一呼吸置いて叙情的なメロディーを奏でるピアノ。
ピアニスト石坂慶彦さんのピアノは独自の世界観を持っているように感じました
1980年生まれ、東京藝術大学音楽学部作曲科卒業ということなので、クラシック界にはたくさん知り合いがおられる事でしょうね。

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それにしても、今回のコンサートのプログラムは鉄壁ですね
“チャンピオン”~“いい日旅立ち”~“風の子守唄”~“群青”~“昴”
もちろん、“三都物語”も“Far Away”も“サライ”も“陽はまた昇る”も“階・きざはし”も“浪漫鉄道”も聴きたいところではありますが、それはワガママなファン心理です

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ワタシですか? ええ、谷村新司さん好きですよ
クラシックに限らず、良い音楽、上手い歌、楽しいコンサートは好きです
そういう意味で谷村さんはMyアイドルです。
ジーンズでフォークソング!の時代から良い感じで年を重ねてこられ、“ダンディズム”を経て、今や格好良いシルバー世代の代表ですから。
クラシックでもポップスでも、もちろん人間も進化していかないとダメですよね
明日の本番が楽しみです

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朝日新聞といえば、夏の全国高校野球
「栄冠は君に輝く」ですね

「栄冠は君に輝く」
加賀大介作詞・古関裕而作曲

雲は湧(わ)き 光あふれて
天高く 純白の球 今日ぞ飛ぶ
若人よ いざ
まなじりは 歓呼に答え
いさぎよし 微笑(ほほえ)む希望
ああ 栄冠は 君に輝く


ということで、アンコールは「栄冠は君に輝く」を高校生が歌うことになりました。
合唱は、淀川工科高校グリークラブと清水谷高校合唱部による混声チーム。
どちらも合唱の強豪校です。
飯森マエストロから事前に色々と注意を受けて、始まりました!

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飯森マエストロは客席で音のバランスをチェック!
「コーラスのメンバー、もう少しその場で広がれませんか?」
このひと言で音が全く変わって聴こえたのにはビックリしました
マエストロは客席から指揮されました。

大丈夫、本番は自信持って元気に行きましょう!

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本番の様子を紹介する前に、中之島フェスティバルタワー2階、フェスティバルホール入口に展示されている谷村新司さんのサインボードをご紹介しましょう

アリス時代から通算143回もフェスティバルホールに登場されている谷村さん。
2008年12月、旧フェスティバルホール閉館前のコンサート「ありがとう!フェスティバルホール」では、ステージに向かって歌い、ホールへの感謝と別れを惜しまれたそうです。

そんなフェスとのかかわりが判るエピソードと、プロフィール、そして新装フェスティバルホールに贈るメッセージが書かれています。
メッセージを拡大すると・・・

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読めますか?

壁や天井には昭和が染み込んでいた
その中には人々の感動と涙が詰まっていた
別れの日、私は壁と天井に‘ありがとう’の歌を伝えた
そして新しい始まりの日、私はどんな想いで舞台に立つのだろうか・・・
音と歌に包まれた会場はまた呼吸を始め
人の思いを受け止める、物語のはじまり・・・。


谷村さんの愛情のこもったメッセージです
今回、ご一緒させて頂くことで、まさに谷村さんとフェスティバルホールにとっての新しい始まりの日を目撃する事が出来ました
光栄です

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「第11回朝日会全国大会」の日を迎えました。
第1部の式典から会場いっぱいのお客さまで溢れています。
14時半、第2部の大阪フィルと谷村新司さんの演奏会の時間です。
コンサートマスター田野倉雅秋のチューニングからコンサートの始まりです!

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旧フェスティバルホールのオープニングでも演奏した思い出の曲、エルガーの「威風堂々第1番」を、そして谷村新司さんの“昴”管弦楽版を、飯森マエストロの指揮で演奏いたしました

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ピーンと伸びた左手の指先や、宙を舞う指揮棒の動きが美しい飯森マエストロの指揮姿。
マエストロの指揮で紡がれる大阪フィルの音楽を、お客さまは真剣に聴いて下さいました。

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オーケストラは“チャンピオン”のイントロを奏でます。
谷村新司さんの登場です
前日のリハーサルではなく、この日はオープン前とはいえ本番。
公式記録はどうなるのかは判りませんが、谷村さんご本人とすれば超満員のお客さまを前に新しいフェスで歌い始めの記念すべき日となるのではないでしょうか。

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“チャンピオン”が終了して、オーケストラは大阪フィルです!と紹介して頂きました。
軽妙なトークを交え、満員のお客さまをぐいぐい谷村ワールドへ誘う谷村さん。
歌にトークに、ステージングの上手さには定評のある谷村さんです

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この日のステージでも、“群青”は素晴らしかったです
ピアノ協奏曲ばりのピアノ独奏
実はこの“群青”のオリジナルピアノ譜は羽田 健太郎 さんが書かれたものだったようですが、難しくてハネケンさん以外は誰も弾けない ということで、その時々のピアニストが譜面を変えて今の形になったようです。

また、“群青”に関しては、昨年谷村さんが、東日本大震災の被災地を訪れた時に、この歌は止めたほうがいいのではないかと危惧されていたようですが、被災地の方からのイチバンのリクエストは意外にもこの歌だったそうです。

「群青」
谷村新司 作詞/作曲

空を染めて行く この雪が静かに
海に積もりて 波を凍らせる
空を染めて行く この雪が静かに
海を眠らせ あなたを眠らせる
手折れば散る薄紫の
野辺に咲きたる一輪の
花に似てはかなきは人の命か
せめて海に散れ 思いが届かば
せめて海に咲け 心の冬薔薇


このステージでもきっと特別な思いで歌われたことでしょう

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ピアニスト石坂慶彦さん、ブラヴォーでした!
谷村さんも飯森マエストロも石坂慶彦さんを祝福しています。
チャイコフスキーやラフマニノフも真っ青な、抒情的な素晴らしいピアノでした。

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最後の曲“昴”を前に谷村さんが話しをされます。

「昔、この曲を歌うと決まって突っ込まれました。 目を閉じて何も見えず。 当たり前やろ! いやいや、そうじゃないんです。 目を閉じるから見えるものも有る訳で・・・。 例えば、音楽は目に見えないでしょう。 目に見えないから素晴らしいんですよ、ね。」

そんな素敵なハナシです。

そして、“昴”は始まりました。

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天井から音が降ってくると言われるフェスティバルホール。
本当に凄い光景ですね

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“昴”の途中から谷村さんは、ステージの方を向いて歌い始められました。
つまり、客席にお尻を向ける形ですね。

この光景、2008年12月の「ありがとう!フェスティバルホール」コンサートでも見られました。
その時はステージに向かって歌い、ホールへの感謝と別れを惜しまれたそうです
今回もその時と同じようにステージを向いて歌われた谷村さん。
きっと、谷村さんにしか分からない気持ちだと思いますが、「フェス、お帰り!」とホールと対話をされていたのかもしれませんね。

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谷村さんが“昴”を歌い終わり、すべてのプログラムが終了しました。
谷村さんと飯森マエストロは、それぞれを紹介し合い、お客さまからは温かい拍手を頂きました

谷村さんが去ったステージには、交代で高校生が登場して来ました!

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司会の落語家、桂吉弥さんが 「朝日新聞といえば、夏の高校野球。夏の高校野球と言えば・・・「栄冠は君に輝く」ですね。「栄冠は君に輝く」を歌って頂きましょう。 歌詞がスクリーンに出ますので、皆さんもご一緒にどうぞ!」 と案内されました!

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リハーサルで飯森マエストロに注意された事を思い出しながら「栄冠は君に輝く」を歌う、淀川工科高校グリークラブと清水谷高校合唱部のメンバー。

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とても元気があって良かったですよ
合唱団の皆さま、オーケストラの皆さま、そして飯森マエストロ、お疲れさまでした

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この日の司会者、桂吉弥さんにサインを貰っている庄司拓を発見
「吉弥さん大好きなんです!」と庄司。
確かに吉弥さん、「ちりとてちん」からのブレークは目を見張るモノが有りますね。

「桂吉弥さん、この日の大役、お疲れさまでした

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谷村さんが常任教授を務めておられる上海音楽学院出身のヴィオラ周平。
周は学生時代には谷村さんと特に接点は無かったのですが、周のお父さんはご存知だったようです。
「谷村さんは中国で凄い人気なんだ。 少し話が出来て一緒に写真を撮って貰えて、光栄だった」 と語る周でした。

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「ずっと昔からファンなんだ。 一緒に撮って!」 と言うのはチェロの近藤浩志。
2002年にご一緒する機会があった時にチェロケースにサインを頂きました。その横に今回改めて、サインを貰いました。谷村さんは前回の事を覚えていてくれたんだ!」

谷村さんは周にも近藤にも気さくに話をしていただきました。

「今日の演奏、素晴らしかったよ! 大フィル有難う!」 と谷村さん。
谷村さん、またご一緒させてくださいね

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こちらが近藤のチェロケース。
左側が2002年の谷村さんのサイン。
その、右側に2013年1月24日 フェス、Deview!と書かれていました。 
記念すべき谷村さんのフェスティバルホールカムバックの日にご一緒出来て幸せでした

谷村さんが次にフェステバルホールに登場するのは5月5日、6日にアリスでの事。
コチラも楽しみですが、チケットはすぐに売り切れる事でしょうね

楽しい夢のような時間があっという間に過ぎていきました


これからも谷村新司さん、並びに大阪フィルをよろしくお願い申し上げます

(広報:H.I)

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河内長野の町に鳴り響いた大フィルサウンドを、レポートします!

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南海沿線のコンサートホールを舞台に開催する「南海コンサート」。
第59回となる今回は、河内長野市のラブリーホール(河内長野市立文化会館)で行われました。
コンサートが続き、ブログアップが遅くなってしまいましたがどうぞご覧ください

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「南海コンサート」は、全席自由席となっております。
なので。開場前にはホールはお客さまでいっぱいです。

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開場時間前ですが、人が溢れてきたので、列のままホールの中に入って頂きました。
ホールの中には入れません、いわゆるロビー開場という状態ですね。

時計の針をロビー開場から2時間巻き戻してみましょう。

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今回の指揮者、高関健さんによるゲネプロが始まるところです。

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今回の「南海コンサートは」、前半は日本人作曲家の作品を並べ、後半にはベートーヴェン「田園」を聴いて頂くという珍しいプログラムをお届けしました。
前半の日本人作品は、吉松隆/大河ドラマ「平清盛」テーマ音楽、鳥は静かに…、外山雄三/管弦楽のためのラプソディとの3曲です。

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高関マエストロは思い付きで指揮をするなどという事は決してありません
そのように指揮をする根拠、学術的な裏付けなどを踏まえて指揮をされます。

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皆が納得して演奏出来るように、コンマス崔ともしっかり話し合われます。
この二人が理解し合うと、後はハナシが早いのです
ゲネプロはサクサクと進みました。
これは本番が楽しみですよ

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ゲネプロ終了後、無人状態の客席を指揮者位置から見たのがこちら
木目調でプロセニアム形式、客席数を1308席有する立派なホールです。
この客席が1時間後には、お客さまでいっぱいになりました。

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コンサートマスターは首席客演コンマスの崔文洙(チェ・ムンス)。
彼のチューニングから本番が始まります。

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オープニングは、祈るような静かなメロディで始まる「平清盛」。
吉松隆が「2分30秒で清盛の生涯を描いた!」と話す大河ドラマの主題曲。
静かなピアノから始まる音楽は、やがてロック風変拍子で疾走するオーケストラに変わり、お客様の胸を震わせます

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高関マエストロは指揮だけではなく、マイクを持って司会も担当されます。
次の曲、吉松隆の「鳥は静かに…」は弦楽器だけの曲です。
軽妙なトークを交えこの曲の聴きどころを説明し、演奏に入ります。

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亡くなった鳥を囲んで、一羽の鳥がまず静かに歌いだし、その歌が周りの鳥たちにも静かに広がって行く様子を描いた美しい小品。
この曲はレクイエムですね

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前半最後の曲は、外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」でした。
高関マエストロも 「この曲は人気がありますよ。タイトルを聴いても知らんなぁ!と思われている皆さまも、聴き終わった後には、この曲知ってる!良い曲ですね! という事で拍手喝采 になっていると思いますよ」 と話されていました。

“あんたがたどこさ”“ソーラン節”“炭鉱節”“串本節”おなじみの民謡が続きます。
そして一転、“信濃追分”に変わります。
フルート野津臣貴博の吹く“追分”のメロディー、 尺八を思わせる得意の音を曲げて吹くあのフルートは聴きどころ満点です

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“信濃追分”が一転、久保田善則の叩く拍子木が打ち破ります!
“八木節”の始まり始まり~

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高関マエストロの“八木節”は、桂冠指揮者の大植英次のような派手さはありませんが、ここ!というところは確実に盛り上げる正確な指揮が魅力です
「管弦楽のためのラプソディ」は、どんなアプローチでも盛り上がる曲ですねえ

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1番を吹いた木管のメンバーを立たせて祝福するマエストロ
フルート野津臣貴博、オーボエ浅川和宏、クラリネットのブルックス・トーン、ファゴット宇賀神広宣です。

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後半は高関マエストロお得意のベートーヴェン交響曲第6番「田園」です。
全曲演奏する前に1楽章から順番に聴きどころを解説し、その部分を演奏。

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そして、改めて最初から演奏された「田園」は、マエストロのこだわりにオーケストラがしっかり応えた名演でした
「田園」ってやはり良い曲ですね

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お客様の拍手に包まれて、マエストロとコンマス崔は握手をしています。
久し振りの日本人作曲家作品をプログラムに取り上げた今回の「南海コンサート」、アンコールは武満徹の「3つの映画音楽 - 他人の顔(ワルツ)」を演奏し、大盛況のうちに終了致しました。

ご来場頂きましたお客さまにこの場を借りて感謝申し上げます。
そして、南海電鉄関係の皆さまとラブリーホールスタッフの皆さま、どうもお世話さまでした。

今年は7月にも「南海コンサート」を実施する予定です。
詳しい内容が決まりましたらHPなので連絡させていただきます。

どうぞこれからも大阪フィルをよろしくお願い致します

(広報:H.I)

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大阪フィルが奏でる「北欧の調べ」、皆さまいかがでしたか?

「第465回定期演奏会」は大盛況のうちに終了致しました。
北欧の巨人、マエストロ・レイフ・セーゲルスタムと過ごした5日間は、とっても刺激的な時間でした

2日目のレポートはカメラマン飯島隆さんの本番写真で振り返ってみましょう。

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 (C)飯島隆

プログラムはグリーグのピアノ協奏曲から始まりました。
ピアニストは日本を代表する、小山実稚恵さん。

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 (C)飯島隆

ティンパニーのトレモロの後、滝が流れ落ちるようなカデンツァで始まる第1楽章冒頭。
悲劇をイメージさせるメロディとしては、バッハのトッカータとフーガ二短調の冒頭部分と双璧ですね

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 (C)飯島隆

グリーグに関しては、小山さんとマエストロ・セーゲルスタムの解釈は近かったのでしょう。
というか、小山さんが弾きやすいようにマエストロが合わせたのかもしれません。
「マエストロの音の揺らしかたが絶妙。 弾いていて幸せ! 」 
小山さんご自身にとっても満足度の高いグリーグがザ・シンフォニーホールに鳴り響いた2日間でした。

それにしても小山さんのグリーグは激しい
そして美しい

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 (C)飯島隆
 
演奏終了後のお客さまの拍手喝采、ブラヴォーの嵐
小山さんがアンコールに選んだ曲は、やはり初日と同じマエストロの曲「SEVEN QUESTIONS TO INFINITY」
初日はマエストロにも完全にサプライズで、マエストロの反応が面白かったのですが、この日は演奏する前にマエストロに耳打ちをされていたように見えました。

最後の部分、右手が鍵盤を上がって行き、これ以上鍵盤が無いのでピアノの木の部分を叩く。
そして最後は音をペダルで伸ばしたままピアノの蓋を閉めてそこを叩いてフィニッシュ!

難しい曲ではないので、お客さまもグリーグのアンコールとして十分楽しめるだけではなく、次のマエストロの交響曲に上手く繋がって行く事を考えての小山さんの選曲だと思います。
この心憎い心配り、サスガ小山さんですね

サンキュー!と叫ぶマエストロとハグ
ディズニーの魔法が本当に有ったなら、完全に魔法は解けて・・・
そんな事を考えてしまうほどリスペクトし合ったマエストロと小山さんでした。

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 (C)飯島隆

小山さんのアンコールのおかげで、グリーグからセーゲルスタムの曲へ流れが出来ました。
この事はとても大きな事です
何故なら、2曲は前半に連続されて演奏されるのです。

先ほどまで小山さんが弾かれていたスタインウェイはそのままに、上手、下手に2台のピアノがセットされ、交響曲第248番「ERRORINGS of MIRRORINGS」はスタート
時間短縮を図りながらも、ソリストのピアノとオケ中のピアノは別にすべき!
そう言った事もすべて踏まえ、試行錯誤の末に辿りついたステージがこちら

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 (C)飯島隆

特に注目頂きたいのは、打楽器の多さです。
色々な楽器が飛び出すマエストロの曲。
4人の奏者に予め担当が振り分けられていますが、これだけ楽器があると奏者が叩きやすい位置に楽器をセットするのがとても難しいのです
シンフォニーホールのステージに人と楽器がどう並べられるのか。
これを一手に引き受けて、完璧に仕上げているのがステージマネージャ清水直行です。
彼の指示を受けて、ステージスタッフ清谷保人他のメンバーも動き、形になります。

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 (C)飯島隆

途中、コンマス崔文洙が立って合図を出すと曲調が変わりパートAが始まります。
コンマス崔は、パートDでもやはり立って合図を出す事になっています。
いや、もちろん合図のハナシであって、指揮者不在のこの曲のリーダーはもちろんコンマスなので、常に崔は座りながら全体をコントロールして行きます。

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 (C)飯島隆

パートBとパートEの合図を出すフルートの上野博昭と井上登紀。
その時が来ると二人は立ち上がって吹き、そして座ります。

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 (C)飯島隆

下手のマエストロしか写真には写っていませんが、上手の尾崎克典さんと二人で連携をして8分音符を続けて鳴らすのが、パートCの合図となります。

続けて演奏される曲ですが、以上のきっかけが分かるとだいたい3分から4分で次のパートに移って行くので、全体の見通せたと思いますが如何だったでしょうか?

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 (C)飯島隆

この曲はとにかく楽しんだ者勝ちです
コンマス崔も「楽器の響きを楽しんで欲しい。 野蛮な響き、美しい響き、フォルテシシモ、ピアニシシモ! オーケストラのサウンドを全身で感じて頂きたい。」と語っていたように

楽しむ!という意味でもこの楽器は楽しめます
というか初めてこんなシーンをご覧になられたらびっくりでしょうね
これは‘ハンマー’と‘ハンマー台’いう楽器です。
有名なところでは(と言うかそれしか思い当たりませんが)マーラー交響曲第6番「悲劇的」の第4楽章で活躍します。
しかし、ハンマーが振り下ろされるのは2度もしくは3度ですが・・・。
その点、この曲は大判振る舞いですね
堀内吉昌はいったい何度ハンマーを振り下ろしたのでしょうか

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 (C)飯島隆

そして関西人なら絶対盛り上がる‘ノコギリ’も活躍しました。
その音色は、例えるならテルミンにも似ていますが、やはり‘ノコギリ’です
大阪人の家庭に‘タコ焼き機’が有るように、大阪のオケの打楽器奏者は‘ノコギリ’をMy楽器として持っている訳ではありませんが 、この‘ノコギリ’は久保田善則の私物です

他にもたくさんの打楽器が登場しましたが、珍しいのはほぼこれまでのブログで紹介しましたので、本番写真は象徴的な‘ハンマー’と‘ノコギリ’をご覧いただきました。

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 (C)飯島隆

それにしても大阪フィルのお客さんは、音楽の楽しみ方を良くご存知です
「こんなん音楽じゃない!」と言って席を蹴って帰る方もいらっしゃると思っていましたが、皆さんしっかり楽しんでおられるご様子で安心しました。 
レイフセーゲルスタムの交響曲第248番「ERRORINGS of MIRRORINGS」はもちろん現代曲ですが、実験目的で作られている曲とは違い、攻略可能、十分楽しめる魅力的な曲でした

知ってる曲しか聴かないのではなく、知らない曲だから聴いてみたい!

音楽を初めとするアートはすべて、知的好奇心がポイントになると思われます
この日のお客さま、いつもにも増してキラキラ輝いて見えました

皆さまに大阪フィルを聴いていただけて本当に幸せです

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 (C)飯島隆

マエストロ・セーゲルスタムは今回が大阪フィル初登場です。
マエストロの名刺代わりの1曲は、十八番のシベリウスの作品から交響曲第5番。

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 (C)飯島隆

マエストロもシベリウスと同じくフィンランド出身。
しかも、12年間もヘルシンキフィルの首席指揮者を務めた事から、現在は名誉首席指揮者を務めているほどで、いわば正真正銘シベリウスのスペシャリストです。

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 (C)飯島隆

骨太でシンプル、楽譜に忠実で、その身体のとおりスケールが大きいマエストロの音楽。
北欧の響きなんでしょうか、カラッとしたサウンドではなく、白夜を思わせるほの暗くウエット感のある音を大阪フィルから引き出すマエストロ。
いつもの大阪フィルサウンドと明らかに違いますね。

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 (C)飯島隆

シベリウスを肌で知っているマエストロからすると、ファーストコンタクトでメンバーが奏でたサウンドは、シベリウスとは別のものだったのでしょうね。
それから練習3日と本番2日を経て、最終日のシベリウス5番は「これが北欧の響き、これぞシベリウス!」と言えるモノに昇華していたのでしょうか。

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 (C)飯島隆

マエストロの表情を練習から見ていて、演奏終了後の表情がとても誇らしげで、嬉しそうなのが印象的でした
それは、お客さまの拍手が本当に盛大で、ブラヴォーも飛び交い、マエストロ祝福モードが客席一体となって起こっていたからに他なりません

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 (C)飯島隆

巨体を揺らしながらのカーテンコールはきっと辛いので、マエストロは2、3回が限界だろうと思っていたので、何度も繰り返されるカーテンコールを喜んで応えているマエストロの姿は少し意外でした。
マエストロは終始笑顔でご機嫌でした

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 (C)飯島隆

ご機嫌なマエストロと、2日間とも最後まで待っていて下さった小山実稚恵さんは、ファンの待つ楽屋口でサイン会をして頂きました。
ファンの方のハナシを、にこやかに聴きながらサインをする小山さんの隣で、言葉がワカラナイためか少々
怖い表情で、しかし最後の一人まできちんとサインをして頂いたマエストロ。

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マエストロは気分を害されたのかと心配していて、最後にカメラを向けるとこの表情。
サインの間中もずっとご機嫌状態は続いておりました
良かったー

バラエティに富んだプログラムでお届けました「第465回定期」は終了しました。
ご来場頂きましたお客様にはこの場を借りて御礼申し上げます。
行けなかったけど応援してたよ!と仰ってくださる皆さま、有難うございました。
これからも大阪フィルをよろしくお願い申し上げます。

                  

大阪フィルの次回定期も、マエストロとは初顔合わせです。

待ちに待ったマエストロ・準・メルクル登場です!
プログラムはマエストロ得意の「指環」抜粋
これはマエストロ自身がこだわりで選ぶ抜粋版になりますが、内容は当日のお楽しみ

マエストロ・準・メルクルと大阪フィルによるアニバーサリーイヤーのワーグナー。
ぜひライブでお聴きください

(広報:H.I)

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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大阪フィル公開リハーサルの追加募集をします!

これまで、ホームページのニュース欄やツイッターでもお知らせしてきましたが、大阪フィルハーモニー協会は、大阪フィルとクラシック音楽をより身近に感じていただき、より多くの方々にもっと大阪フィルを知っていただくため・・・
公開リハーサルを行います!

リハーサルは本来人にお見せするものではありません
プロは結果が勝負
血の滲むような練習を重ねて大フィルサウンドが出来上がっているのか、何の努力もせずとも、いとも簡単に重厚なオーケストラサウンドが奏でられているのか?
知らぬが仏なら、言わぬが花・・・(そんな大層なハナシではありませんが

それに関しては、本来お見せする必要などないものだとは思いますが、
「皆さまに支えられ、皆さまと共に歩んで行くオーケストラ」を標榜している大阪フィルです。

今回初めて一般の方を対象に公開リハーサルをさせていただきます
また、ご質問にお答えする時間も設けます。
場所は私たちのホーム、大阪フィルハーモニー会館。
大阪フィルメンバーの素の部分が見えそうな至近距離でご覧になって下さい。

詳細と応募方法は下記 のとおりです。
珍しい機会ですのでぜひご参加ください

(広報:H.I)

〇実施日:3月5日(火) 午後1時00分~50分程度 (正午より受付)
〇場所:大阪フィル:ハーモニー会館
 大阪市西成区岸里1-1-44
 地下鉄四つ橋線「西梅田駅」から約13分、「岸里」駅下車 2番出口より東へ徒歩約2分。
 地下鉄堺筋線・南海本線・高野線「天下茶屋」駅下車 南へ徒歩約5分。

〇指揮者:新通 英洋
〇内容:大阪フィル 演奏会に向けたリハーサルの一部を公開
   スメタナ 交響詩「モルダウ」、質問コーナーを予定

〇募集定員:追加募集100名程度 (ただし、未就学児のご入場はお断りさせていただきます)
〇料金:無料
〇応募方法:官製往復はがきによる申込。(1枚につき2名様まで)   締切:2月18日(月) 消印有効 (募集定員を越えるお申込があった場合は抽選となります)
〇通知:応募結果は、返信はがきの発送(2/25頃)にてお知らせさせていただきます。
なお、ご応募いただきました個人情報は、厳正に管理し、今回の応募結果の通知 ならびに公開リハーサルの受付以外には使用いたしません。

【応募はがき(往復はがき)記載事項】
・往信宛名面
〒557-0041 大阪市西成区岸里1-1-44
公益社団法人 大阪フィルハーモニー協会 公開リハーサル担当 宛

・往信文面 
①郵便番号・住所 ②氏名 ③年齢 ④性別 ⑤電話番号 ⑥何をご覧になってこの公開リハーサルをお知りになりましたか ⑥同伴者の有無
※恐れ入りますが、各項目とも記入もれなきようお願い申し上げます。

・返信文面 空白のまま

・返信宛名面 郵便番号・住所・氏名をご記入願います。

【お問い合わせ先】 公益社団法人 大阪フィルハーモニー協会 総務局 公開リハーサル担当
TEL 06-6656-7711  (平日10時~18時 / 土曜 10時~13時)



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 (C)飯島隆


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東京IGINクラシックコンサート、本番のレポートをお届けします!

レディースフォーマルウェアの東京IGINが贈るクラシックコンサートが終了しました。
NHK大阪ホールで開催されたこのコンサートの模様をゲネプロからレポートしましょう!

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指揮は「題名のない音楽会」などテレビでも大活躍の岩村力さん。
NHK交響楽団アシスタントコンダクターを2000年から07年まで務め、世界的指揮者の下振りなどを経験されて来られました。
現在は兵庫芸術文化センター管弦楽団レジデント・コンダクターを務められています 。

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指揮者はオーケストラ有っての仕事だと言われますが、プロ、アマを問わず、たくさんのオーケストラを振る機会をお持ちの岩村マエストロ。
マエストロに今回指揮して頂くのは、ベートーヴェン/歌劇「フィデリオ」序曲、チャイコフスキー/ヴァイオリン協奏曲、ベートーヴェン交響曲第5番「運命」、第3番「英雄」、第6番「田園」の1楽章と、交響曲第7番の4楽章という変則プログラム。

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このプログラムを携えて岩村マエストロは、大阪公演の後、名古屋、東京、福岡と順番にまわられます。
オーケストラは各地を代表するオーケストラ。
サスガは世界に誇る東京IGIN、クラシックコンサートも全国展開です

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今回のコンサート、主催者の東京IGIN製作のチラシには末延麻裕子とベートーヴェンと謳われております。
昭和22年の創業以来、日本のレディスフォーマルウェアのパイオニアとしてトップを走り続ける東京イギンのコンサートでソロを務めるには楽器が上手いだけではいけません
末延麻裕子さんは同世代のファッションリーダーとして活動をされています。
スタイルの良さは をご覧になって頂ければわかりますね

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ゲネプロを終えて、満面の笑みの末延さん
カデンツァの部分はゲネプロでは弾かれないので、本番のお楽しみです。
さあ、本番ではどんな演奏を聴かせ頂けるのでしょうか。
そして、楽しみは末延さんのドレス
東京IGINのコンサートなので、期待が膨らみますね

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このコンサートでチェロのトップを弾いているは、2月1日付けで当団トップ奏者に就任した花崎薫です。

長年にわたり、新日本フィルハーモニー交響楽団の首席チェロ奏者として活躍した後、2011年に新日本フィルを退団し、愛知県立芸術大学准教授に就任。 
今回、縁があって大阪フィルのチェロトップ奏者に就任しました

花崎薫から皆さまにメッセージがございます。

「初めて大阪フィルで演奏した時、温もりのあるアンサンブルと音色を感じました。 かつて在籍していたオーケストラでは、故 朝比奈隆先生とワーグナーの「指環」をはじめ数々の作品をご一緒した事もあってか、大阪フィルには親しみを感じておりました。 この度、一員として演奏出来ますことに大きな喜びを感じております。 どうぞよろしくお願い致します。」

花崎薫のチェロトップ就任で、チェロセクションは近藤浩志とトップ2人体制になりました。
チェロの体制充実で、更に安定した弦楽サウンドをお届け出来ると思います。

どうぞ花崎薫にご声援をお願い致します

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本番写真は、舞台上手袖から撮影したものを見て頂きましょう!

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末延さんのチャイコフスキーは、敢然とオーケストラに立ち向かっていくような潔い演奏でした
若い世代にクラッシックヴァイオリンの魅力を知って欲しい! 
様々なジャンルのアーティストとのコラボに精力的に参加されている末延さん。
その活動には、クラシック音楽のファン層拡大という大きな目的があります。
末延さんの熱い思いはお客さまに伝わった事でしょう

演奏終了後、司会も兼ねておられた岩村マエストロに感想を求められた末延さんは、
「ほっとしました。 有難うございました。」 と話されました。
ソリストは2人でまわされる今回の全国4都市コンサートツアー
末延さんの出番は、3月東京フィルさんと演奏されるサントリーホール公演です。
次は聖地サントリーホールですか。 頑張って下さい

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前半終了後、末延さんと岩村マエストロ、コンマス崔の3ショットが実現しました。
皆さまお疲れさまでした

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そして、お待たせしました!
注目の末延麻裕子さんのドレス姿がこちらです
全身をご覧頂こうと撮影しましたが、この撮影の前に3ショットを撮ったためにドレスの裾を後ろにまわしておりました。
本当なら横にさっと流しておくべきなので、そこは大目に見て下さいませ

このドレスに関しては、マエストロがステージ上で質問されました。

「自分でリクエストを出してイギンさんに作って頂きました。 素材はとっても肌に優しいシルクです。 自分の体にぴったりフィット、それでいてヴァイオリンが弾きやすいんです。お値段ですか? 180万でした!」

末延さん、どうもお疲れさまでした

コンサートは、岩村マエストロ渾身の指揮にしっかり応えたオーケストラが、迫力のベートーベンオムニバスをお届け出来たと思います。
満員のお客さまからは温かい拍手を頂きました

東京IGIN主催のクラシックコンサート、本当はもっと色々と書きたい事もあるのですが、大阪が全国4都市ツアーのオープニングでもあり、ネタバレの恐れもありますのでこれ以上は書きません

今回初めて東京IGINさんのコンサートにお招きいただきました。
本当に色々と勉強する点が多かったです。

「日本1高級な服を作ります」 が東京IGINさんのキャッチフレーズという事ですので、私たちもそれに負けないような演奏をしたつもりですが、さて皆さまいかがだったでしょうか?

寒い中ご来場頂きましたお客さまにこの場を借りて御礼申し上げます。
そして、井上隆治社長さまはじめ東京IGIN関係者の皆さま、お世話になりました。

どうぞこれからも大阪フィルをよろしくお願いいたします

(広報:H.I)

| 演奏会 | 23:55 | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

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