12月に入ると「第九」モード一色になってくるのですが、前半は「第九」以外のコンサートもございます。
1日に梅田芸術劇場で行われた「阪急ゆめ・まち親子チャリティコンサート」と、12日に行われた「住友不動産販売クリスマスステップコンサート」は、共に名曲を散りばめた楽しいコンサートでした。

この二つのコンサートには共通点があります。
それは何かと言えば・・・

どちらのコンサートも指揮者が円光寺雅彦さんだということ。
円光寺マエストロと大阪フィルは、共演の機会が多いです。
マエストロは大阪フィルの事を良くご存知です。
どうすれば鳴るのか、とか・・・。

そして、マエストロの強みはお話が出来ること。
ソフトな語り口で客席に語りかけるマエストロの司会は、プロ顔負けです。
「お父さんにしたい指揮者No.1の円光寺雅彦です!」
笑いのツボも抑えつつ、嫌味なく上品なのがgoodなのです。
上記の二つのコンサートも、マエストロが指揮と司会のサポートを担当されました。
「阪急ゆめ・まち親子チャリティコンサート」は、元宝塚歌劇団宙組トップ娘役の野々すみ花さんを司会兼ナビゲートに迎え、二人で司会進行を務められました。
二つのコンサート、駆け足でリポートして参りましょう!
ご覧の写真は「阪急ゆめ・まち親子チャリティコンサート」のゲネプロの模様です。

コンサートマスターは崔 文洙(チェ・ムンス)が務めました。
コンマス崔のチューニングで本番は始まりました。

「キャンディード」序曲で始まったコンサート、
マエストロがマイクを持って客席に向かって挨拶をされます。
「あなたの街のオーケストラ、大阪フィルハーモニー交響楽団です!」

野々すみ花さんがステージに登場し、司会進行が始まりました。
野々さんは立ち姿や笑顔、話し声まで素敵で・・・

マエストロも思わず、この笑顔(笑)。
野々さんもオーケストラの魅力にすっかりはまられたようで・・・
ご自身のブログに、この日の様子を書き込まれていらっしゃいます。
野々すみ花さんのブログはコチラをご覧ください。
親子連れの方が大半で、客席の半分が子どもたち。
プログラムもそれを考慮して、判りやすい名曲の数々をお送りしました。
写真は、ルロイ・アンダーソンの「トランペット吹きの子守唄」を吹く、
トランペットトップ奏者・秋月孝之です。

演奏し終えて、コンマス崔と握手を交わすトランペット秋月。
微笑ましい姿ですね(笑)。
この日は、初めて楽器を目にする子どもさんも多いだろうという事で、
次に演奏する「白鳥の湖」の主要楽器の紹介も行いました。

“情景”の最も有名なソロを演奏する、オーボエ大森悠。

オーボエで吹いたメロディを4本のホルンが力強く演奏します。

そして、曲を盛り上げるためには欠かせない打楽器も紹介されました。

楽器紹介の間、ずっと座ってご覧になられていた野々すみ花さんが、
オーケストラに合わせてジークフリート王子とオデット姫の愛の物語を語られます。

「語り」付きの音楽物語「白鳥の湖」のスタートです!

とても判りやすくハナシがまとまっていて(構成:新井鴎子)
これなら子供たちにも楽しく聴けるのではないでしょうか。

音楽と語りが効果的にシンクロして、期待感を盛り上げます。

「愛は勝った!」
象徴的な言葉を野々すみ花さんが語られます。
色々な版が多く存在する「白鳥の湖」。
子どもたちに語るには、やはり愛は勝たないといけません。

全員の弓が上がっていますが、コンマス崔の弓は一際高く上がっています。
「白鳥の湖」演奏終了!

マエストロの右手でもわかるとおり、ちょうどこの後、マエストロと野々すみ花さんは握手を交わされ、健闘を称えあわれていました。

子どもたちは誰も騒がず、ステージに集中してくれました。
静かにお聴き頂き、ありがとうございました。
この後、後半のステージでは、指揮者体験コーナーをやって、ビゼー「アルルの女」より“間奏曲”“ファランドール”、そしてマスカーニ歌劇「カヴァレリア・ルスティカーナ」、ホルスト「惑星」より“木星”を演奏して終了。
阪急阪神ホールディングスグループの社会貢献活動の一環「阪急阪神 未来のゆめ・まちプロジェクト」として行われたコンサートは、大変な盛り上がりの中、終了しました。
阪急電鉄株式会社、並びに梅田芸術劇場の関係者の皆さま、お世話になりました。

一方、こちらは昨日行われた、住友不動産販売「クリスマスステップコンサート」の様子です。

このコンサートも指揮は円光寺雅彦さん。
司会はフリーアナウンサーの好本惠さんが務め、マエストロがサポートされました。

コンサートは、パーセル/「トランペット・ヴォランタリー」で華々しくスタートです!

「クリスマス ステップコンサート」のメインパーソナリティを務められているのは、ご存知千住真理子さん。
司会もされますが、もちろんヴァイオリンも弾かれます。
写真は、第1部の最後を締め括る、ヴィヴァルディの「四季」から“冬”の演奏風景。

指揮者なしの弦楽アンサンブルで指揮者に代わって、
きっかけなどを指示しながらヴァイオリンを弾く千住真理子さん。

普段なかなか共演する機会のないマリンバ。
サルミエントス「マリンバとオーケストラのための協奏曲」は、
マリンバの魅力満載のとても素敵な曲。

今年6月に、「作曲家・林光さんの曲をオーケストラで聴く会」というコンサートで、通崎睦美さんと木琴協奏曲「夏の雲走る」でご一緒しましたが、出田りあさんとご一緒するのは今回が初めてです。
マリンバ、低音は人間の声に近く、とても魅力的な音のする楽器ですね。

その後、千住真理子さんはエルガーの「愛の挨拶」をマエストロと合わせられ、

最後に、メインの曲バレエ「白鳥の湖」から“情景”“4羽の白鳥の踊り”“終曲”を演奏。
クリスマスっぽく、照明効果を狙った演出も登場。
普段のパイプオルガンはご覧の感じですが、

赤い照明を混ぜるとこんな風になり、

青い照明を混ぜるとこんな風に雰囲気が変わります。

それにしても、「白鳥の湖」って偶然ですね。
先ほどレポートした「阪急ゆめ・まちコンサート」でもやりました。
さすが人気のチャイコフスキー「白鳥の湖」、リクエストが多いです(笑)。

ただし、冒頭の「情景」でオーボエを吹いたのは、大森悠ではなく浅川和宏。
この日のピッチ合わせの音も浅川が担当しました。
コンサートは温かい拍手にお応えして、会場の皆さんとご一緒に「きよしこの夜」を歌い、コンサートは終了しました。
円光寺マエストロの引き出す大フィルサウンドと、和やかなマエストロの語り口調が相俟って、とても楽しいコンサートになりました。
今年も主催の住友不動産販売さまには大変お世話になりました。
そして、寒い中満員のお客さまにお越し頂きまして、ありがとうございました。
明日からはベートーヴェンの「第九」5連続開催に突入します。
そして、クリスマスコンサートを経て、
主催公演の「第9シンフォニーの夕べ」で「第九」を2連続演奏!
そして、年が変わり、新年恒例の「新春名曲コンサート」では、
またまた円光寺マエストロとザ・シンフォニーホールでご一緒します。
(2013年新春名曲コンサート アンコール「乾杯の歌」より市原愛さん、福井敬さん)

(C)飯島隆
あっという間に「新春名曲コンサート」がやって来ますよ。
チケットはまだ余裕がありますが、良い席はお早めにお買い求めされる事をお勧めします。
よろしくお願い申し上げます。
(広報:H.I)
「第83回 新春名曲コンサート」
日 時:1月13日(月・祝)15:00開演(14:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:円光寺雅彦
独 唱:小林沙羅(ソプラノ)、福井 敬(テノール)
独 奏:吉田 南(ヴァイオリン)
管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団
プログラム:
エルガー/行進曲「威風堂々」第1番
レハール/喜歌劇「ジュディッタ」より “私の唇は熱いキスをする”
A.ララ/グラナダ
ドニゼッティ/歌劇「愛の妙薬」より “ラララララ”
ホルスト/組曲「惑星」より “木星”
チャイコフスキー/懐かしい土地の思い出より “メロディー”
チャイコフスキー/ワルツ・スケルツォ
ラフマニノフ/ヴォカリーズ
プッチーニ/歌劇「トスカ」より “星は光りぬ”
プッチーニ/歌劇「マノン・レスコー」間奏曲
J.ウィリアムズ/映画音楽「スター・ウォーズ」より
帝国のマーチ~ヨーダのテーマ~王の玉座とエンドタイトル
料 金:A席:5000円、B席:3500円、C席:1500円※完売いたしました。
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。
ご予約・お問い合わせ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890