高関健さん指揮によるコンサートの模様をリポートします!
この3カ月、とんでもなく早く感じました。
そして気が付けばもう4月は目前。
井上道義が首席指揮者に就任する新しいシーズンがいよいよスタートします!
実は忙しさの中、キチンとご報告が出来ていなかったコンサートやニュースがいくつかございます。
シーズンが変わる前に足早に報告してまいりましょう!

まずは、指揮者・高関健さんに指揮をして頂いた‘高関シリーズ’から。
3月8日には「第37回岐阜定期演奏会」が行われました。
年に1度、岐阜のサラマンカホールでのコンサートに向けて、ホームの大フィル会館でリハーサルを行いました。
今回の「岐阜定期」の話題は、4月から京都市交響楽団の常任首席客演指揮者に就任される高関マエストロに指揮をして頂くことと・・・

話題の14歳のピアニスト、牛田智大さんとの共演です。
それらの感想は、後ほどお話するとして、
リハーサルの成果をもって、岐阜に向かいました。

サラマンカホールでは、本番に先駆けて音楽評論家 奥田佳道さんが、今回のプログラムの聴きどころを紹介されました。
プログラムの前半は、ムソルグスキーの交響詩「はげ山の一夜」に続いて、チャイコフスキーのピアノ協奏曲第1番。
そして後半は、チャイコフスキーの交響曲第4番というオールロシア・プログラム。

年に1度、この美しいサラマンカホールで演奏出来る事は、大阪フィルにとって大変な誇りですし、メンバーにとって楽しみの一つとなっています。
写真でもお判り頂けると思いますが、とても美しく音響も素晴らしいこのホールに、
毎回超満員のお客さまがお越し頂いているのです。
今年もチケットは早々に完売したそうです。

早々の完売の訳には、牛田智大さんの登場があったのかもしれませんね。
噂に聞いていた牛田さん、演奏が始まってすぐに彼が本物の演奏家である事が判りました。
今回が初めてのチャイコフスキーの協奏曲だったそうですが、しっかりオーケストラの音を聴いて自分のピアノを合わせようとしている事に驚きました。
指がまわって、曲芸的な早引きが出来るといったピアニストとはレベルが違います。
きちんと自分の音楽をお持ちで、人とアンサンブルが出来る。
高関マエストロも牛田さんの意図を汲んで、万全のサポート。

お客様の拍手に応えられる姿にも、子供っぽいところがなく堂々としたもの。
またそれが嫌味に映らない所が牛田さんの魅力ですね。
牛田さんが難曲、チャイコフスキーの協奏曲を初めて演奏した記念すべき日は、
オーケストラは大フィルで、岐阜のサラマンカホールが舞台だった。
記録にも記憶にも残るチャイコフスキーのピアノ協奏曲でした。

後半はチャイコフスキーの交響曲第4番です。
高関マエストロの指揮の下で演奏するのは、毎回とても刺激的。
新しい発見の連続なのです。

マエストロは常に真っ白な状態で指揮する曲に臨まれているのでしょう。
スコアの読み込みがどんどん深くなって、色々なアイデアの宝庫のようなマエストロの指揮なのです。
この日のチャイコフスキーも素晴らしく、お客さまからは温かな拍手をたくさん頂きました。
ご来場頂きましたお客さま、この場を借りて御礼申し上げます。
岐阜だけではなく、名古屋方面からもたくさんお越し頂いたと聞いています。
また来年もお会いしましょう。
サラマンカホールはじめ関係者の皆さま、今年もお世話になりました。
これからも引き続きよろしくお願い申し上げます。
そしてメンバーは岐阜羽島駅から新幹線で関西へ戻って来ました。
翌日には、別の演奏会が控えているのです。
その演奏会というのがこちら。

日本舞踊の伊勢志賀山流五世宗家 志賀山千歳改メ、志賀山登羅襲名披露公演に、
大阪フィルが招かれ、貴志康一の交響曲「佛陀」を演奏するのです。

第一部は日本舞踊のステージ。
地唄「雪」や長唄「志賀山三番叟」、長唄「汐汲」、長唄「松の調」を、伊勢志賀山流の皆さまが踊られるステージです。
そして二部が大阪フィルの演奏で、交響曲「佛陀」と日本舞踊のコラボとなっています。
オーケストラはピットで演奏。
フェスティバルホールのピットに初めて入るのも、ドキドキです。
そのピットから客席を見ると、このように見えます。

そして、ピットにオーケストラが入るとすっかり雰囲気が変わります。

貴志康一の交響曲「佛陀」を指揮するのも、昨日に続いて高関健さんです。
マエストロは指揮台に立つと客席に向いてまず一礼。
そして、指揮棒を下ろす「佛陀」の美しい音楽が始まりました。

28歳の若さで夭折したものの、昭和初期にドイツと日本で輝かしい功績を残した貴志康一は、作曲家にして指揮者でもありました。
この交響曲「佛陀」は、25歳の時に貴志康一自身がベルリンフィルの指揮台に立ち、初演を行った作品です。
生前の貴志康一と親交のあった大阪フィル創立名誉指揮者の朝比奈隆は、辻久子の独奏でヴァイオリン協奏曲を演奏したことあるほどで、大阪フィルは貴志康一とは関係が深いのです。

そして2009年には「貴志康一生誕100周年記念演奏会」をザ・シンフォニーホールで小松一彦さんの指揮で行い、「佛陀」も演奏しました。
その時の演奏を聴かれた志賀山千歳改メ 志賀山登羅 五世宗家が、「いつかこの曲で踊りたい」と思われ、今回の演奏会に繋がっていくのです。
ステージ上手袖から見ると、ステージとオーケストラピットはこのように見えます。

正面2階から見たステージがこちら。
ほとんどセットのない素舞台ですが、照明を上手く使った幻想的なステージです。
オーケストラが演奏しているピットの部分、お判りになられますか?
フェスティバルホールのピットで奏でるサウンドは、ピットの周囲の壁に反射しホールに均等に散り、とても鮮明で美しく響きました。

この方が、志賀山千歳改メ 志賀山登羅 五世宗家です。
舞台には他にもお弟子さんたちが登場されます。

楽章によっては、ステージがこのように変わったり

このようなシーンが登場したり、セリフは一切ありませんが、
音楽に合わせて物語が進行していきます。

最後は登場人物がすべて出て来られてのカーテンコール。
アンコールは貴志康一の「日本組曲」より“道頓堀”でした。
あまり演奏機会の多い曲ではありませんが、高関マエストロは細部までスコアを読み込まれていて、前日のチャイコフスキーやムソルグスキーと同じ意識でオーケストラもこれらの曲に取り組めました。
昭和初期、ベルリンフィルにこれらの曲を指揮した貴志康一のことを考えると、日本人としてちょっと嬉しくなります。
貴志康一はフルトヴェングラーに師事していたそうです。
音楽は時代を超えますね。
いつもとは全く違うお客さまに、大阪フィルの演奏を聴いていただくことが出来ました。
大変貴重な機会を頂戴しました伊勢志賀山流の関係者の皆さまに御礼申し上げます。
高関マエストロといえば、4月にこのコンサートが控えています。

新たに始まるシリーズ、「ソワレ・シンフォニー」です。
これは、いつもより開演時間が遅く、19時半開演のコンサート。
そして休憩なしの60分コンサートで、終演はいつもより30分近く早いのです。
しかし中身は充実していますよ。
小品1曲と交響曲をしっかりお聴きいただきます。
チケット代金は、ザ・シンフォニーホールのすべての席が3500円均一!
この記念すべき第1回目を、高関マエストロに指揮していただきます。
曲は、ウェーバーの歌劇「魔弾の射手」序曲とマーラーの交響曲第1番「巨人」。
チケットはまだ余裕がございます。
ザ・シンフォニーホールでお待ちしております。
(広報:H.I)
大阪フィル×ザ・シンフォニーホール
<ソワレ・シンフォニー>Vol.1
日 時:4月16日(水)19時半開演(18時半開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:高関健
曲 目:ウェーバー/歌劇「魔弾の射手」序曲
マーラー/交響曲 第1番 ニ長調 「巨人」
料 金:均一指定:3,500円
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ザ・シンフォニー チケットセンター 06-6453-2333
チケットぴあ 0570-02-9999【Pコード:221-082】
ローソンチケット 0570-000-407【Lコード:57713】
お問合せ
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890