首席指揮者・井上道義の復帰演奏会となる「第482回定期」が目前です。
今週、23日(木)、24日(金)にフェスティバルホールで開催。

今回の演奏会には、2010年ショパン国際ピアノコンクールの覇者、ユリアンナ・アヴデーエワを招き、華やかに行います。
リハーサルが昨日より始まりました。 駆け足で報告致しましょう!

今回の主役、首席指揮者・井上道義が久し振りに大フィル会館に帰って来ました。
「マエストロ、お帰りなさい!」と、皆でお出迎え。
井上マエストロは、はにかんだ笑顔で応えてくれましたが・・・
ゆっくりする間もなく、リハーサルが始まりました。
上の写真は、チューニングを待つマエストロです。

チューニングしているのは、首席客演コンサートマスター崔文洙。
「南海コンサート」、「ソワレ・シンフォニー」、「京都特別演奏会」でコンマスを務めていた、首席コンマス・田野倉雅秋に替わり、もう一人の頼れるコンマスが帰って来てくれました。

「もう大丈夫なんだが、喉をやっているので、疲れて来るとだんだん声が出なくなるので、マイクを使わせてください。」 と話をされました。

しかし実際には大半地声で話されていました。
喉を除いてその他は以前と変わらない元気なマエストロ。

今回メイン取り上げるチャイコフスキーの交響曲第4番は、井上マエストロと大阪フィルが1978年に初めて共演した思い出の曲。

初顔合わせから36年を経過し、両者による顔合わせは133回を数えます。
永かった春の末に、「第477回定期」で首席指揮者の就任披露を行った直後・・・
無念の休養を余儀なくされたマエストロ。

「では第1楽章!」とマエストロがメンバーに話すと・・・

チャイコフスキーの交響曲第4番が練習場に鳴り響きました。

第1楽章冒頭、ホルンとファゴットによってファンファーレが奏でられます。
このファンファーレのモチーフは、あたかも‘運命’のようにこの後、全曲を支配することになります。

続いてファンファーレを奏でるのはトランペットとフルート、オーボエ、そしてクラリネット。
その後、華やかな管弦楽法を駆使した極彩色の音世界が繰り広げられます。

今回の定期プログラムに掲載する曲目解説で、音楽評論の東条碩夫さんが書かれている文書の一部を引用させて頂きますと・・・
チャイコフスキー自身が親友フォン・メック夫人に宛てた有名な手紙がある。
その要旨は━━。
第1楽章は序奏のファンファーレ的な楽想は「運命」であり、常に私たちの魂を苦しめる存在である。第1楽章主部では、絶望的な気持と、現実から逃避したくなる感情と、優しい夢とが不断に交錯して行く。
第2楽章は、過去を回想する憂鬱な感情。
第3楽章は、脳裏をかすめる支離滅裂な、気まぐれな空想。
第4楽章は、他人の素朴で陽気な騒ぎの中に入って行きたいという、孤独な自分自身の願望。
これだけでも、この交響曲に描かれている標題性を理解するには充分であろう。
だが、問題は、チャイコフスキーがその手紙の最後に記した追伸の中にある。
それは・・・
各楽章はこれで何となくイメージ出来ますね。
東条さんの問題は・・・以降につきましては、当日配布のプログラムをご覧ください。

楽器編成はピッコロ1、フルート2、オーボエ2、クラリネット2、ファゴット2、ホルン4、トランペット2、トロンボーン3、テューバ1、ティンパニ1、大太鼓、シンバル、トライアングルで3。
そして弦五部は16型で、通常配置です。
第1楽章から迫力十分のチャイコフスキー交響曲第4番。
死の淵から生還した井上道義マエストロ渾身の指揮でお贈りいたします。

予定時間を目いっぱい使ったリハーサル終了後、取材が入っておりました。
ご覧の通り、以前と何も変わらぬマエストロ。
厳しい闘病生活の話や、再び元気に指揮できることなどを熱く語っておられました。
そして、何かの拍子に身を乗り出してこちらをジロリ!

いやー、マエストロの存在感は以前よりも凄みを増した感じが有ります。
井上道義の完全復活を皆さまに報告する今回の定期演奏会。
ユリアンナ・アヴデーエワは2日目のリハーサルから登場します。
もちろん、そちらもバッチリ報告します。
どうぞお楽しみになさってください。
チケットはまだ余裕が有るので、ぜひお越しください。
「第482回定期演奏会」
日 時:10月23日(木)、24日(金)19時開演(18時開場)
会 場:フェスティバルホール
指 揮:井上道義
独 奏:ユリアンナ・アヴデーエワ(ピアノ)
曲 目:ショスタコーヴィチ/ロシアとキルギスの主題による序曲 作品115
プロコフィエフ/ピアノ協奏曲 第3番 ハ長調 作品26
チャイコフスキー/交響曲 第4番 ヘ短調 作品36
料 金:A席:6,000円、B席:5,000円、C席:4,000円
学生席(3階席):1,000円、BOX席:7,000円
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
※当日券は17時半より販売します。
[学生席について]
・2014年度より3階を学生席(25歳以下)として前売り販売いたします。
・ご予約は、一般発売日より大阪フィル公式HP http:///www.osaka‐phil.com/ で
お申込みください(インターネット販売のみ)。 引換券を発行いたします。
・当日、窓口にて学生証を提示の上、引換券を座席券に交換してください。
・整理券の番号順に良い座席をご用意させていただきます。
・尚、ご入場後も係員がお座席にて学生証の提示をお願いする場合がございます。
お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890