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マエストロ・パスカル・ロフェ インタビュー:第522回定期演奏会

 18/19シーズン、後半最初の演奏会となる「第522回定期演奏会」(10月25・26日)。指揮はパスカル・ロフェさんです。
 ロフェさんの大阪フィル定期への出演は2009年以来。そのときも「ダフニスとクロエ」全曲 という、フランスの作曲家による声楽を伴う作品でした。今回のプログラムについて、お聴きしました!

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Q1.色々な作曲家が「レクイエム」を手がけていますが、フォーレ作品の特徴、魅力はどういったところでしょうか。

このレクイエムには特別な思いを持っています。おそらくそれは、この作品が無信仰の作曲家によって書かれた唯一のレクイエムで、フォーレ自身が「喜びのためだけに」書いたと言っているからだと思います。死を恐れるのではなく、その先(死後)にある幸福を待ち望む楽観的な慰めとなる作品なのです。

Q2.フォーレはマエストロと同じフランスの作曲家ですが、”フランスらしさ” というものを感じる点はありますか。

単純さ、声楽の語法、ハーモニー、すべてにおいてフランスらしい作品です。ドラマチックでなく、穏やかで深みのある、室内楽作品のようなレクイエムです。フォーレはサン=サーンス以降のフランス音楽の純然たるの継承者。彼はこの作品をパリ17区のマルゼルブ大通り沿いの家で作曲しましたが、私はそのすぐ近くに住んでいるんですよ。
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Q3.二度目の共演となる大フィル合唱団へメッセージをお願いします。

素直に、誠実に、心から語りかけるように歌いましょう。

Q4.「火の鳥」は、今回は原典版での演奏です。現在はコンパクトな1919年版を演奏することが多いですが、原典版ならではの魅力、特にこの曲が好き、というものがあれば教えてください。

この1910年原典版は、セルゲイ・ディアギレフがパリで主宰していた「バレエ・リュス(ロシア・バレエ団)」のために書かれたもので、ロシア民話のストーリー全編を描いています。1919年と1945年のバージョンは、その半分の長さで、オーケストラの編成も随分小さくなっています。ですから私は常々、ロシアの魂、そしてストラヴィンスキーとリムスキー=コルサコフのつながりをお見せするために、この原典版を演奏したいと思っているのです(訳注:ストラヴィンスキーはこの作品をリムスキー=コルサコフに献呈)。この1910年版の「火の鳥」は、ストラヴィンスキーが作曲家として初めて大成功を収めた作品です。

Q5.大阪フィルとは、2009年定期、2012年ラ・フォル・ジュルネびわ湖につづく3度目の共演となります。

大阪フィルと共演するたび、とてもポジティブな印象を持ちました。リハーサル、コンサートでの集中力が極めて高かったことと、「ダフニスとクロエ」で共演した合唱団がとても難しい「ア・カペラ」の部分を素晴らしく歌い上げたことを覚えています。皆さんとまたご一緒できるのをとても楽しみにしています。

O6.最後にお客さまにメッセージをお願いします。
コンサートにぜひお越しください。この素晴らしいプログラムを通して、時代が20世紀に切り替わる頃の好奇心に満ちたパリにタイムトリップしましょう。
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