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大阪フィルが奏でる「北欧の調べ」、皆さまいかがでしたか?

「第465回定期演奏会」は大盛況のうちに終了致しました。
北欧の巨人、マエストロ・レイフ・セーゲルスタムと過ごした5日間は、とっても刺激的な時間でした

2日目のレポートはカメラマン飯島隆さんの本番写真で振り返ってみましょう。

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 (C)飯島隆

プログラムはグリーグのピアノ協奏曲から始まりました。
ピアニストは日本を代表する、小山実稚恵さん。

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 (C)飯島隆

ティンパニーのトレモロの後、滝が流れ落ちるようなカデンツァで始まる第1楽章冒頭。
悲劇をイメージさせるメロディとしては、バッハのトッカータとフーガ二短調の冒頭部分と双璧ですね

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 (C)飯島隆

グリーグに関しては、小山さんとマエストロ・セーゲルスタムの解釈は近かったのでしょう。
というか、小山さんが弾きやすいようにマエストロが合わせたのかもしれません。
「マエストロの音の揺らしかたが絶妙。 弾いていて幸せ! 」 
小山さんご自身にとっても満足度の高いグリーグがザ・シンフォニーホールに鳴り響いた2日間でした。

それにしても小山さんのグリーグは激しい
そして美しい

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 (C)飯島隆
 
演奏終了後のお客さまの拍手喝采、ブラヴォーの嵐
小山さんがアンコールに選んだ曲は、やはり初日と同じマエストロの曲「SEVEN QUESTIONS TO INFINITY」
初日はマエストロにも完全にサプライズで、マエストロの反応が面白かったのですが、この日は演奏する前にマエストロに耳打ちをされていたように見えました。

最後の部分、右手が鍵盤を上がって行き、これ以上鍵盤が無いのでピアノの木の部分を叩く。
そして最後は音をペダルで伸ばしたままピアノの蓋を閉めてそこを叩いてフィニッシュ!

難しい曲ではないので、お客さまもグリーグのアンコールとして十分楽しめるだけではなく、次のマエストロの交響曲に上手く繋がって行く事を考えての小山さんの選曲だと思います。
この心憎い心配り、サスガ小山さんですね

サンキュー!と叫ぶマエストロとハグ
ディズニーの魔法が本当に有ったなら、完全に魔法は解けて・・・
そんな事を考えてしまうほどリスペクトし合ったマエストロと小山さんでした。

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 (C)飯島隆

小山さんのアンコールのおかげで、グリーグからセーゲルスタムの曲へ流れが出来ました。
この事はとても大きな事です
何故なら、2曲は前半に連続されて演奏されるのです。

先ほどまで小山さんが弾かれていたスタインウェイはそのままに、上手、下手に2台のピアノがセットされ、交響曲第248番「ERRORINGS of MIRRORINGS」はスタート
時間短縮を図りながらも、ソリストのピアノとオケ中のピアノは別にすべき!
そう言った事もすべて踏まえ、試行錯誤の末に辿りついたステージがこちら

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 (C)飯島隆

特に注目頂きたいのは、打楽器の多さです。
色々な楽器が飛び出すマエストロの曲。
4人の奏者に予め担当が振り分けられていますが、これだけ楽器があると奏者が叩きやすい位置に楽器をセットするのがとても難しいのです
シンフォニーホールのステージに人と楽器がどう並べられるのか。
これを一手に引き受けて、完璧に仕上げているのがステージマネージャ清水直行です。
彼の指示を受けて、ステージスタッフ清谷保人他のメンバーも動き、形になります。

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 (C)飯島隆

途中、コンマス崔文洙が立って合図を出すと曲調が変わりパートAが始まります。
コンマス崔は、パートDでもやはり立って合図を出す事になっています。
いや、もちろん合図のハナシであって、指揮者不在のこの曲のリーダーはもちろんコンマスなので、常に崔は座りながら全体をコントロールして行きます。

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 (C)飯島隆

パートBとパートEの合図を出すフルートの上野博昭と井上登紀。
その時が来ると二人は立ち上がって吹き、そして座ります。

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 (C)飯島隆

下手のマエストロしか写真には写っていませんが、上手の尾崎克典さんと二人で連携をして8分音符を続けて鳴らすのが、パートCの合図となります。

続けて演奏される曲ですが、以上のきっかけが分かるとだいたい3分から4分で次のパートに移って行くので、全体の見通せたと思いますが如何だったでしょうか?

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 (C)飯島隆

この曲はとにかく楽しんだ者勝ちです
コンマス崔も「楽器の響きを楽しんで欲しい。 野蛮な響き、美しい響き、フォルテシシモ、ピアニシシモ! オーケストラのサウンドを全身で感じて頂きたい。」と語っていたように

楽しむ!という意味でもこの楽器は楽しめます
というか初めてこんなシーンをご覧になられたらびっくりでしょうね
これは‘ハンマー’と‘ハンマー台’いう楽器です。
有名なところでは(と言うかそれしか思い当たりませんが)マーラー交響曲第6番「悲劇的」の第4楽章で活躍します。
しかし、ハンマーが振り下ろされるのは2度もしくは3度ですが・・・。
その点、この曲は大判振る舞いですね
堀内吉昌はいったい何度ハンマーを振り下ろしたのでしょうか

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 (C)飯島隆

そして関西人なら絶対盛り上がる‘ノコギリ’も活躍しました。
その音色は、例えるならテルミンにも似ていますが、やはり‘ノコギリ’です
大阪人の家庭に‘タコ焼き機’が有るように、大阪のオケの打楽器奏者は‘ノコギリ’をMy楽器として持っている訳ではありませんが 、この‘ノコギリ’は久保田善則の私物です

他にもたくさんの打楽器が登場しましたが、珍しいのはほぼこれまでのブログで紹介しましたので、本番写真は象徴的な‘ハンマー’と‘ノコギリ’をご覧いただきました。

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 (C)飯島隆

それにしても大阪フィルのお客さんは、音楽の楽しみ方を良くご存知です
「こんなん音楽じゃない!」と言って席を蹴って帰る方もいらっしゃると思っていましたが、皆さんしっかり楽しんでおられるご様子で安心しました。 
レイフセーゲルスタムの交響曲第248番「ERRORINGS of MIRRORINGS」はもちろん現代曲ですが、実験目的で作られている曲とは違い、攻略可能、十分楽しめる魅力的な曲でした

知ってる曲しか聴かないのではなく、知らない曲だから聴いてみたい!

音楽を初めとするアートはすべて、知的好奇心がポイントになると思われます
この日のお客さま、いつもにも増してキラキラ輝いて見えました

皆さまに大阪フィルを聴いていただけて本当に幸せです

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 (C)飯島隆

マエストロ・セーゲルスタムは今回が大阪フィル初登場です。
マエストロの名刺代わりの1曲は、十八番のシベリウスの作品から交響曲第5番。

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 (C)飯島隆

マエストロもシベリウスと同じくフィンランド出身。
しかも、12年間もヘルシンキフィルの首席指揮者を務めた事から、現在は名誉首席指揮者を務めているほどで、いわば正真正銘シベリウスのスペシャリストです。

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 (C)飯島隆

骨太でシンプル、楽譜に忠実で、その身体のとおりスケールが大きいマエストロの音楽。
北欧の響きなんでしょうか、カラッとしたサウンドではなく、白夜を思わせるほの暗くウエット感のある音を大阪フィルから引き出すマエストロ。
いつもの大阪フィルサウンドと明らかに違いますね。

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 (C)飯島隆

シベリウスを肌で知っているマエストロからすると、ファーストコンタクトでメンバーが奏でたサウンドは、シベリウスとは別のものだったのでしょうね。
それから練習3日と本番2日を経て、最終日のシベリウス5番は「これが北欧の響き、これぞシベリウス!」と言えるモノに昇華していたのでしょうか。

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 (C)飯島隆

マエストロの表情を練習から見ていて、演奏終了後の表情がとても誇らしげで、嬉しそうなのが印象的でした
それは、お客さまの拍手が本当に盛大で、ブラヴォーも飛び交い、マエストロ祝福モードが客席一体となって起こっていたからに他なりません

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 (C)飯島隆

巨体を揺らしながらのカーテンコールはきっと辛いので、マエストロは2、3回が限界だろうと思っていたので、何度も繰り返されるカーテンコールを喜んで応えているマエストロの姿は少し意外でした。
マエストロは終始笑顔でご機嫌でした

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 (C)飯島隆

ご機嫌なマエストロと、2日間とも最後まで待っていて下さった小山実稚恵さんは、ファンの待つ楽屋口でサイン会をして頂きました。
ファンの方のハナシを、にこやかに聴きながらサインをする小山さんの隣で、言葉がワカラナイためか少々
怖い表情で、しかし最後の一人まできちんとサインをして頂いたマエストロ。

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マエストロは気分を害されたのかと心配していて、最後にカメラを向けるとこの表情。
サインの間中もずっとご機嫌状態は続いておりました
良かったー

バラエティに富んだプログラムでお届けました「第465回定期」は終了しました。
ご来場頂きましたお客様にはこの場を借りて御礼申し上げます。
行けなかったけど応援してたよ!と仰ってくださる皆さま、有難うございました。
これからも大阪フィルをよろしくお願い申し上げます。

                  

大阪フィルの次回定期も、マエストロとは初顔合わせです。

待ちに待ったマエストロ・準・メルクル登場です!
プログラムはマエストロ得意の「指環」抜粋
これはマエストロ自身がこだわりで選ぶ抜粋版になりますが、内容は当日のお楽しみ

マエストロ・準・メルクルと大阪フィルによるアニバーサリーイヤーのワーグナー。
ぜひライブでお聴きください

(広報:H.I)

「第466回定期演奏会」

日 時:2月28日(木)・3月1日(金)19:00開演(18:00開場)
会 場:ザ・シンフォニーホール
指 揮:準・メルクル
独 奏:イングリット・フリッター(ピアノ)

<プログラム>
シューマン/ピアノ協奏曲 イ短調 作品54
ワーグナー/楽劇「ニーベルングの指環」抜粋〈ワーグナー生誕200年記念〉

料 金:A席6,000円 B席5,000円 C席4,000円
    D席 S席は完売
※未就学のお子様のご入場はお断りさせていただきます。

チケット販売所
大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890
ABCチケットセンター(ザ・シンフォニーホール内) 06-6453-6000
チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード171-789) 

お問合せ:大阪フィル・チケットセンター 06-6656-4890


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