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3名の女性指揮者の華やかな競演、終了しました!

東京国際音楽コンクール<指揮>、第16回入選者による記念演奏会は、大盛況のうちに終了致しました。

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今回で第16回を迎える東京国際音楽コンクール、実は大阪フィルにとってはとても関係の深いコンクールなのです。
ちょっとこの機会に歴史を紐解いてみましょう

1966年より実施されている伝統あるコンクールで、民音(民主音楽協会)が主催しています。
最初は<指揮><声楽><室内楽>の3部門のコンクールを行ってきたましたが、現在は3年に一度<指揮>部門のみ実施されています。

このコンクール出身の指揮者はちょっと凄いですよ。
小泉和裕さん、尾高忠明さん、小林研一郎さん、井上道義さんといった現在バリバリの大御所から、大野和士さん、山下一史さん、広上淳一さん、飯森範親さんなどのアラフィフの皆さま、そしてお馴染みの下野竜也さんなど、ビッグネームが並びます
若手の川瀬賢太郎さんも2006年、1位なしの2位になられましたね。

大阪フィルと関係があるといったのは、審査委員長です。
第1回1967年~第3回1973年まで審査委員長を務めたのは斎藤秀雄さん、その後を受けて第4回1976年~第10回1994年まで大阪フィル創立名誉指揮者・朝比奈隆が務めておりました。
現在は、外山雄三さんが務めておられます。

ちなみに、アジアには他に指揮者コンクールはありません
現在、世界中に指揮者の名前を冠しているコンクールが数多くありますが、途中で立ち消えになっているコンクールも多く、東京国際音楽コンクール(民音指揮コンの名前の方がオールドファンには通用するしそうですね)以上の歴史があるのはブザンソン国際コンクール(1951年創設)など、数えるほどです。

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このような歴史のあるコンクールですが、優勝者はもちろん、入賞者が出にくいコンクールである事も知られています。
そして、2012年実施の第16回、やはり入賞者(1位~3位)はゼロ、3名のファイナリストは全員が入選でした。
しかし今回、主催者である民音さんの判断で、ファイナリストのための記念コンサートが開かれたのです
素晴らしいですね

この大切なコンサート、コンマスを務めるのは田野倉雅秋です。
いつものように、田野倉のチューニングで楽しい音楽の時間が始まりました

ザ・シンフォニーホールは本番写真が撮影出来ないので、ゲネプロの写真をご覧にいれながら本番の模様を振り返ってみましょう!

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まず、今回のコンサートをしっかりとレポートするのには訳があります。

東京国際音楽コンクール〈指揮〉自体が朝比奈隆との関係が深く、大阪フィルとしてしっかりサポートし、記録としても残したいという思いがひとつ
しかしそういった事よりも、入選者3名の方がこのコンサートを指揮出来る喜びと、チャンスを結果で残したい という熱い思いに触れた事がいちばん大きな理由です。

新しい才能が開花するキッカケをこの目で見、皆さまに届けたい!
しかも3名全員が今回が大阪フィルデビュー、ザ・シンフォニーホールデビューです

3名は大阪フィルとの演奏で、自分の表現したい音楽を形にする事が出来たのでしょうか

最初に登場したのはマヤ・メーテルスカさんです。

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すでにプロ指揮者としてワルシャワ室内歌劇場の指揮者を務めておられるマヤ・メーテルスカさん。
ヨーロッパのオーケストラを数多く指揮されています。
マヤさんの師は、先月の大阪フィル定期を指揮して頂いたレイフ・セーゲルスタムさん。
「先生から大阪フィルの事は聞いていました。」とマヤさん。
いったいどんなふうに聞かれていたのでしょうか、気になりますね

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「ここれが私の音楽よ!」と主張されているようなマヤさんの指揮。
長身から振り下ろされる指揮棒は迫力のオーケストラサウンドを引き出し、長い左手の先からはデリケートに表情付けられた音楽がこぼれます

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下手のバルコニーから見たマヤさんの指揮姿。
体格的なところでは男性と変わりない感じですね。
驚くことに、ゲネプロ段階でスコアが置かれていません
本番は暗譜で指揮すると言う指揮者も、練習番号の事などもありゲネプロはスコアを見られる方も多いだけにちょっとびっくりですね。
これはもしやマヤさん、知り合いだと言われていたクシシュトフ・ウルバンスキのように、写真を撮影するように物事を記憶出来る‘フォトグラフィック・メモリー’の持ち主なのでしょうか?

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マヤ・メーテルスカさんの指揮するリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」。
この曲を聴くとN響アワーを思い出します。
調べると2005年度のテーマソングでした
好色なイメージのドン・ファンとは違い、理想を求め安易に満足する事のできない詩人レーナウの描くドン・ファン像を描いてみせたR.シュトラウスの「ドン・ファン」。
激しいリズム、甘美なメロディ、そして最後は悲劇的な死が表現されています。

最後の音が鳴り止むと同時に起こった拍手喝采、ブラヴォーコール。
華やかなオーケストラサウンドを堪能しました

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マヤ・メーテルスカさんの出番が前半の1曲目ということもあり、演奏終了直後の写真を撮影できなかったので、本番の衣裳は着替えられた後、前半終了時に写真を撮影しました。
マヤさんは緊張感から解放されたためかとってもご機嫌
優しい笑顔でカメラに応えてくださいました。

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前半2曲目にリヒャルト・シュトラウスの交響詩「死と変容」を指揮したのは、田中祐子さん。
曲の冒頭、瀕死の病人の鼓動を思わせる不規則なリズムをティンパニーが奏でます。

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木管楽器が奏でる明るい旋律がそれに続きます。
過去の日々を回想するかのような明るく穏やかな旋律。
静かな中にも切れのある田中さんの指揮は、何といっても美しい のが特徴ではないでしょうか

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突如、ティンパニーの強打一閃、生と死の激しいせめぎ合いが始まります。
勇壮なテーマを全楽器一斉に強奏するなど、病魔と闘う病人。
こちらの写真、田中さんの躍動感溢れる指揮は、その瞬間だけ切り取っても格好良いですね

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下手スタンドから見た田中さんの指揮姿。
良い感じに脱力していて、田中さんの意志でしっかりオーケストラをコントロールしていました。
そして、気にされていたポイント、魂は静かに浄化していったように感じました

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演奏終了直後、お客様の盛大な拍手喝采、ブラヴォー!まで飛び出しました。
お客さまの心をしっかり掴んでいた事はその光景を見ても間違いありません。
田中さんご自身は、自分の「死と変容」が演奏出来たのでしょうか?

今回がデビューとなったザ・シンフォニーホールは、指揮者としてこれから何度も立つステージになると思いますが、初共演の大阪フィルとの演奏は終了しました

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演奏を終えて楽屋の前に戻ってきた田中祐子さんをキャッチ!
こちらが田中さんの本番衣装、素敵です
「死と変容」のスコアを持ち、達成感と満足感に包まれてハーイ、スマイル

田中祐子さん、お疲れさまでした!

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この日のメインプログラムは、ベートーヴェンの交響曲第7番です。
指揮をするのは、本選で入賞は外したものの聴衆賞を受賞した石﨑真弥奈さん。
石﨑さん自身「聴衆賞は嬉しかった!」と語っておられました

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しかし、石﨑さんが今回目標にされていた事は、お客さまの反応も大切にしながらも、オーケストラのメンバーと一緒に楽しみながら自分のベートーヴェンを作る事だそうです。
曲が「のだめカンタービレ」で人気のベートーヴェンの交響曲7番という事もあり、演奏終了後の客席の反応はある程度盛り上がることは予想が付くだけに、そこに至るまでのプロセスを大切にしたいんだと・・・

とても冷静な石﨑真弥奈さん、その姿勢に大いに共感しました。

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ベートーヴェン7番は1年のうち何度も演奏している人気の曲なので、メンバーも譜面上はリハーサル初日の段階で技術的に何の問題もありません。
特にベートーヴェンと言えば、朝比奈時代からこだわりの強い、大フィル十八番とも言える曲
今回の一連のコンサートが実質プロのオーケストラでの指揮デビューと言っても過言ではない石﨑真弥奈さんが、自分のベートーヴェンをオケに求めるのは素敵な事ですが、少々難易度の高いことなのかもしれません。

しかし、潔く正面からオーケストラと向き合う道を取られた石﨑さんに、拍手を贈りたいと思います。

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指揮者としてのこだわりと、奏者としてのこだわり。
石﨑真弥奈さんもプロの指揮者になられた記念すべきコンサートという事で、敢えてメンバーも正面から向き合い色々と意見も飛び交いましたが、それだけに感動的な本番の演奏でした

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素晴らしいベートーヴェンでした
両者が主張し合い、歩み寄り・・・
コンマス田野倉雅秋の役割が大いに発揮された演奏でした

お客さまの反応は予想を大きく上回るほどの大歓声
石﨑真弥奈さんの大阪フィルデビュー、並びにザ・シンフォニーホールデビューは大成功でした

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楽屋の前で待っていると、ほっとした表情で石﨑さんが戻って来られました。
お疲れさまでした! ぜひ記念の写真を!という事で・・・

ベートーヴェンのスコアをしっかり抱きしめ、カメラの前に立つ石﨑さん。
その表情は何かを確信したかのような揺るぎのないものでした。

おめでとうございます! また機会が有ればご一緒したいですね
お疲れさまでした

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終演後の楽屋前はさながら写真撮影会でした
まずは今回の主役3名で、はーいスマイル

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そしてコンマスの田野倉雅秋、渡辺美穂も入って撮影しました。

主役の3名さま、お疲れさまでした!
皆さんが目指す道は大変だと思いますが、どうか頑張って下さい
また必ずご一緒しましょうね。

そして、今回も色々とお世話頂いたMIN-ONさんには、この場を借りて感謝申し上げます。

今回しっかりレポートしましたのでブログ読者の皆さま、主役3名の顔と名前を覚えて頂き、彼らの今後の活躍に注目して下さい!
将来の大スターの記念すべきデビューという歴史の目撃者になっていただいたかもしれません

取材を通して、こちらまで元気をいただきました。
音楽最高! これからも大阪フィルをよろしくお願いします

(広報:H.I)

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