大植英次の描くアルプスの山は・・・、リハーサル2日目です。
「第52回大阪国際フェスティバル2014」での大阪フィルの公演は、いよいよ明日に迫りました。

昨年の「大阪クラシック」以来となる、桂冠指揮者・大植英次を迎えてのリハーサルも2日目を終了。

もちろん首席コンサートマスター田野倉雅秋のチューニングからリハーサルはスタート。

この日はリハーサルの前半を、弦楽器と管楽器で分けて行い、
それぞれの課題を集中的にやった後、後半はオーケストラ全体で練習しました。

分奏することで大植マエストロのやりたい音楽を奏者にはっきり伝えることが出来ます。
そして、それに向けた取り組みの過程で無駄な待ち時間などを発生させない合理的なリハーサルの進め方なのです。

この日のリハーサルで、大植英次の思い描く‘アルプスの山’のイメージが見えて来ました。

その‘山’は容易には人を受け付けない、峻厳で切り立った‘山’。
大変だからこそ登山の醍醐味が味わえると言えるのかもしれません。

起伏に富んだドラマチックな音楽。
大植マエストロの音楽はそうこなくっちゃ!ですよね。

「アルペン・シンフォニー」は単一楽章の交響曲ですが、交響詩のようなもの。
アルプス登山の1日は、初日リハーサルのブログでお伝えしました。
今回は、この曲ならではの特殊楽器やバンダについてレポートしましょう。
ホルンの並びに変更がありました。
初日の並びは、前列に1番~4番、後列に5番~8番という並びでしたが、1番、2番が前(1番の右隣はアシスタント)、その後ろに3番、4番、そして1番、2番の隣に5番、6番、後ろに7番、8番と並んでいます。
こういったところは、音楽を作っていく過程でどんどん変化していくものです。
本番のステージの響きを聴いて変わることもよくある事。
それもライブの楽しさと思って頂けると、楽しさが広がると思います。
ホルンの後ろにある板のようなものが、サンダーマシーン。
‘嵐’のシーンで雷の音を出す楽器です。
これ、ステージマネージャー清水直行の手作りですが、どうして鳴らすのかと言いますと・・・

マレットやスティックで叩いたり、

その板のようなものをゆすったりして、大きな音を出します。
実際に‘嵐’のシーンでこの楽器を鳴らしているエキストラの堀内聖子さんに実演して頂きました。
どんな音がするか、どうぞ本番をお楽しみください。

「アルペン・シンフォニー」で大変重要な役割をするのがオルガンです。
しかしフェスティバルホールにはパイプオルガンがありません。
世界にはオーケストラの本拠地となっているホールで、オルガンの無いホールはたくさんあります。
そんな時に電子オルガンを使うのですが・・・

世界のスタンダードになっているのがアーレンオルガン社製の電子オルガンです。
これが有れば大丈夫。
フィナーレ‘終末’での、片桐聖子さんの弾くアーレンオルガンの響きをお楽しみください。

打楽器奏者は大忙しの「アルペン・シンフォニー」。
久保田善則とエキストラ茶屋克彦さんが持っているのはカウベルです。
‘山の牧場’で雰囲気を出す大切な役割を果たします。

そのカウベルがこちら。
アルプス山脈一帯の国では、牛(カウ)などの家畜の首に付けるこういった金属製の鐘鈴(ベル)を付けて、牛が動くとベルが鳴ったようです。
大きなものもありますね。
実際の音はライブでお聴き下さい。

この曲には最初の‘登り道’のシーンで大規模のバンダが登場します。
今回のバンダはホルン9、トランペット2、トロンボーン2の総勢13名。
さすがにこれだけの人数では、モニター画面の指揮者に合わせて演奏するのには無理があります。

副指揮者の金丸克己さんの指揮に合わせて、バンダチームは演奏いたします。
金丸さんは大植マエストロに師事しておられ、大フィルの第436回定期演奏会・第47回東京定期演奏会でも『アルプス交響曲』の副指揮を務めていただきました。

モニター画面で大植マエストロの指揮に合わせてバンダチームを指揮します。
姿か形は見えないバンダ演奏と、ステージ上のリアル演奏のアンサンブルの妙。
ライブでしかこの迫力を味わえません。

最後にヘッケルフォーンを紹介しましょう。
今回出演のオーボエ奏者4名に自分が担当するオーボエを持って並んでもらいました。
いちばん右でエキストラ藤原博司さんが持っておられる一際大きな楽器がヘッケルフォーン、バリトンオーボエの改良系です。
左からオーボエ1番を吹く大森悠、2番の大森美希さん、3番の大島弥州夫は3番とイングリッシュホルンを担当。
右の大きいほうがイングリッシュホルンです。そして藤原さんのヘッケルフォーン。
オーボエセクションのアンサンブルも必聴ですよ。

オシャレな大植マエストロは、この日も後半には衣装がガラッと替わっていました。

衣装だけではなくもちろん表情も今この瞬間この表情が、次の瞬間には・・・

こんな表情で指揮されています。
フェスティバルホールにはクワイア席がございません。
どうぞブログでマエストロの表情をご覧くださいませ(笑)。

予定時間を目いっぱい使った濃密なリハーサルが終了しました。
マエストロは休憩時間も誰かと話をしていて、ほとんど休憩をとっていません。
この日はリハーサル終了後も、雑誌の取材が入っていました。
テーマは「レナード・バーンスタインについて」。
マエストロは疲れた表情を見せることなく、惜しげもなく自分の師匠に関する特ダネ級のハナシを語っておられました。
本当に音楽が好きなんだなと、その表情を見ながら感じていました。
さあ、リハーサルも残すところあと1日。
いよいよ3日目にはヴァイオリニストのネマニャ・ラドゥロヴィチが登場します。
演奏曲目はブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。
メインが「アルペン・シンフォニー」と言えば、前プログラムはやはりブルッフでしょうか。
なぜなら・・・その続きはリハーサル3日目のレポートで。
チケットは、S席とバルコニーボックスのみですが、まだございます。
お問い合わせは、フェスティバルチケットセンター06-6231-2221までどうぞ。
フェスティバルホールでお待ちいたしております。
(広報:H.I)
「第52回大阪国際フェスティバル2014」
日 時:4月26日(土)15:00開演(14:00開場)
会 場:フェスティバルホール
指 揮:大植英次
独 奏:ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
曲 目:ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品26
R.シュトラウス/アルプス交響曲 作品64
料 金:S席:7,500円、バルコニーBOX(2枚セット)15,000円
A席、B席、C席、BOX席は完売。
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
ご予約・お問い合わせ:
フェスティバルホール チケットセンター 06-6231-2221

昨年の「大阪クラシック」以来となる、桂冠指揮者・大植英次を迎えてのリハーサルも2日目を終了。

もちろん首席コンサートマスター田野倉雅秋のチューニングからリハーサルはスタート。

この日はリハーサルの前半を、弦楽器と管楽器で分けて行い、
それぞれの課題を集中的にやった後、後半はオーケストラ全体で練習しました。

分奏することで大植マエストロのやりたい音楽を奏者にはっきり伝えることが出来ます。
そして、それに向けた取り組みの過程で無駄な待ち時間などを発生させない合理的なリハーサルの進め方なのです。

この日のリハーサルで、大植英次の思い描く‘アルプスの山’のイメージが見えて来ました。

その‘山’は容易には人を受け付けない、峻厳で切り立った‘山’。
大変だからこそ登山の醍醐味が味わえると言えるのかもしれません。

起伏に富んだドラマチックな音楽。
大植マエストロの音楽はそうこなくっちゃ!ですよね。

「アルペン・シンフォニー」は単一楽章の交響曲ですが、交響詩のようなもの。
アルプス登山の1日は、初日リハーサルのブログでお伝えしました。
今回は、この曲ならではの特殊楽器やバンダについてレポートしましょう。
ホルンの並びに変更がありました。
初日の並びは、前列に1番~4番、後列に5番~8番という並びでしたが、1番、2番が前(1番の右隣はアシスタント)、その後ろに3番、4番、そして1番、2番の隣に5番、6番、後ろに7番、8番と並んでいます。
こういったところは、音楽を作っていく過程でどんどん変化していくものです。
本番のステージの響きを聴いて変わることもよくある事。
それもライブの楽しさと思って頂けると、楽しさが広がると思います。
ホルンの後ろにある板のようなものが、サンダーマシーン。
‘嵐’のシーンで雷の音を出す楽器です。
これ、ステージマネージャー清水直行の手作りですが、どうして鳴らすのかと言いますと・・・

マレットやスティックで叩いたり、

その板のようなものをゆすったりして、大きな音を出します。
実際に‘嵐’のシーンでこの楽器を鳴らしているエキストラの堀内聖子さんに実演して頂きました。
どんな音がするか、どうぞ本番をお楽しみください。

「アルペン・シンフォニー」で大変重要な役割をするのがオルガンです。
しかしフェスティバルホールにはパイプオルガンがありません。
世界にはオーケストラの本拠地となっているホールで、オルガンの無いホールはたくさんあります。
そんな時に電子オルガンを使うのですが・・・

世界のスタンダードになっているのがアーレンオルガン社製の電子オルガンです。
これが有れば大丈夫。
フィナーレ‘終末’での、片桐聖子さんの弾くアーレンオルガンの響きをお楽しみください。

打楽器奏者は大忙しの「アルペン・シンフォニー」。
久保田善則とエキストラ茶屋克彦さんが持っているのはカウベルです。
‘山の牧場’で雰囲気を出す大切な役割を果たします。

そのカウベルがこちら。
アルプス山脈一帯の国では、牛(カウ)などの家畜の首に付けるこういった金属製の鐘鈴(ベル)を付けて、牛が動くとベルが鳴ったようです。
大きなものもありますね。
実際の音はライブでお聴き下さい。

この曲には最初の‘登り道’のシーンで大規模のバンダが登場します。
今回のバンダはホルン9、トランペット2、トロンボーン2の総勢13名。
さすがにこれだけの人数では、モニター画面の指揮者に合わせて演奏するのには無理があります。

副指揮者の金丸克己さんの指揮に合わせて、バンダチームは演奏いたします。
金丸さんは大植マエストロに師事しておられ、大フィルの第436回定期演奏会・第47回東京定期演奏会でも『アルプス交響曲』の副指揮を務めていただきました。

モニター画面で大植マエストロの指揮に合わせてバンダチームを指揮します。
姿か形は見えないバンダ演奏と、ステージ上のリアル演奏のアンサンブルの妙。
ライブでしかこの迫力を味わえません。

最後にヘッケルフォーンを紹介しましょう。
今回出演のオーボエ奏者4名に自分が担当するオーボエを持って並んでもらいました。
いちばん右でエキストラ藤原博司さんが持っておられる一際大きな楽器がヘッケルフォーン、バリトンオーボエの改良系です。
左からオーボエ1番を吹く大森悠、2番の大森美希さん、3番の大島弥州夫は3番とイングリッシュホルンを担当。
右の大きいほうがイングリッシュホルンです。そして藤原さんのヘッケルフォーン。
オーボエセクションのアンサンブルも必聴ですよ。

オシャレな大植マエストロは、この日も後半には衣装がガラッと替わっていました。

衣装だけではなくもちろん表情も今この瞬間この表情が、次の瞬間には・・・

こんな表情で指揮されています。
フェスティバルホールにはクワイア席がございません。
どうぞブログでマエストロの表情をご覧くださいませ(笑)。

予定時間を目いっぱい使った濃密なリハーサルが終了しました。
マエストロは休憩時間も誰かと話をしていて、ほとんど休憩をとっていません。
この日はリハーサル終了後も、雑誌の取材が入っていました。
テーマは「レナード・バーンスタインについて」。
マエストロは疲れた表情を見せることなく、惜しげもなく自分の師匠に関する特ダネ級のハナシを語っておられました。
本当に音楽が好きなんだなと、その表情を見ながら感じていました。
さあ、リハーサルも残すところあと1日。
いよいよ3日目にはヴァイオリニストのネマニャ・ラドゥロヴィチが登場します。
演奏曲目はブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番。
メインが「アルペン・シンフォニー」と言えば、前プログラムはやはりブルッフでしょうか。
なぜなら・・・その続きはリハーサル3日目のレポートで。
チケットは、S席とバルコニーボックスのみですが、まだございます。
お問い合わせは、フェスティバルチケットセンター06-6231-2221までどうぞ。
フェスティバルホールでお待ちいたしております。
(広報:H.I)
「第52回大阪国際フェスティバル2014」
日 時:4月26日(土)15:00開演(14:00開場)
会 場:フェスティバルホール
指 揮:大植英次
独 奏:ネマニャ・ラドゥロヴィチ(ヴァイオリン)
曲 目:ブルッフ/ヴァイオリン協奏曲 第1番 作品26
R.シュトラウス/アルプス交響曲 作品64
料 金:S席:7,500円、バルコニーBOX(2枚セット)15,000円
A席、B席、C席、BOX席は完売。
※未就学のお子さまのご入場はお断りさせていただきます。
ご予約・お問い合わせ:
フェスティバルホール チケットセンター 06-6231-2221
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