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さあ、今年の「大阪クラシック」は本日フィナーレを迎えます!

「大阪クラシック」も6日目を終了しました。

前代未聞!ピアノ3台による「第9」や、‘究極の交響曲9番’を演奏したオーケストラ公演などザ・シンフォニーホールを使った大掛かりな公演も楽しかったですが、奏者の気持ちのこもったアンサンブルも聴きどころじゅうぶん。
サックス四重奏や、マンドリンとギターのデュオなど、ひねりの効いたアンサンブルもあり、音楽の魅力にすっかりやられました。

「大阪クラシック」6日目の模様を簡単に振り返ってみましょう。


第58公演(12:00 本町ガーデンシティ)
ヴァイオリン小林亜希子


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(C)飯島隆

6日目最初の公演は、大フィルのヴァイオリン奏者・小林亜希子のソロから。
ずっと取り組んできたイザイの無伴奏ソナタに昨年で区切りをつけて、今年彼女がソロで弾くのはバルトーク。

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(C)飯島隆


「大阪クラシック」を自身のステップアップの場と捉えて、成長の過程をお客さまに発表していることで、彼女のファンはとても多いのです。
最終日の第78公演では、ロッシーニの弦楽ソナタを演奏。
また違った魅力に触れるチャンスです。


第59公演(12:30 カフェ・ド・ラ・ペ)
チェロ石田聖子、ピアノ藤井快哉


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(C)飯島隆

連日大忙しの石田聖子。
彼女のリサイタルとも言える公演がこちら。

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(C)飯島隆

取り上げる曲はリヒャルト・シュトラウスのチェロソナタ。
あれ、どこかで聞いたタイトルだなーって、5日目に近藤浩志が取り上げた曲です。
ピアノは藤井快哉さんで、また全然違う演奏。
同じ譜面なのに・・・という事で、クラシック音楽の面白さというか醍醐味を感じた公演でした。


第60公演(13:00 京阪電車なにわ橋駅アートエリアB1)
クラリネット船隈慶、ヴァイオリン渡辺美穂、黒瀬奈々子、ヴィオラ小野眞優美、チェロ近藤浩志


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(C)飯島隆

クラリネットの名曲、ブラームスの五重奏曲が京阪電車なにわ橋駅アートエリアに鳴り響きました。
クラリネットを吹くのは船隈慶。
彼をコンマス渡辺美穂、ヴィオラ小野眞優美、チェロ近藤浩志といったトップ奏者達が支えます。

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(C)飯島隆

初日の第10公演では、クラリネットトップ奏者・金井信之がフランセの五重奏曲を演奏しました。
大フィルの管楽器奏者が違う弦楽器のメンバーとアンサンブルをやることは「大阪クラシック」ではよくあります。
ちなみに、黒瀬奈々子はどちらのクラリネット五重奏にも出ていました。
こんな事も有るのです(笑)。


第61公演「Piano Spectacular」(14:00 ザ・シンフォニーホール)
ピアノ:大植英次、尾崎有飛、甲斐史郎  独唱:ソプラノ西田真由子、アルト福嶋あかね、テノール松原 友、バリトン大谷圭介  合唱:大阪フィルハーモニー合唱団


今年の「大阪クラシック」全81公演中、神秘のベールに隠れていた公演がコチラ。

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(C)飯島隆

大植プロデュ―サーというより、この場合マエストロですね。
マエストロのやりたい事は、いつだって我々には「夢のようなハナシ」。
‘夢’からスタートして、現実の演出プランに置き変わるには、相当な時間と話し合いが必要になります。
マエストロ自身、夢は日々進化していくのですから。

そんな過程を経て、今回の公演「Piano Spectacular」は誕生しました。
プログラムは、「キャンディード」と「第9」の2本立て。

大植マエストロがお客さまに語ります。
「甲斐君は天才です。 バーンスタインの「キャンディード」組曲を聴いて、この曲を書き上げました。 彼の才能を皆さまに聴いて欲しい! 色々なオファーもありましたが、先ずは大阪クラシックだろう!と出演が決まりました。 私の宝物、バーンスタインからもらった真っ赤なスカーフ、今日彼がちゃんと弾いたら上げようかな!」 

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(C)飯島隆

マエストロは甲斐さんのポケットに赤いスカーフを押し込んで、自分は少し離れたところで聞いてられました。

16歳、高校1年生の甲斐史郎さんが自分で編曲した「キャンディード」が始まりました。

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(C)飯島隆

その見事な演奏に、お客さまはビックリ。
グッと引き込まれ、集中して聴き入っておられました。
もちろんマエストロも、です。

演奏終了後、お客さまの爆発的な拍手を遮り、
「皆さんこのスカーフは甲斐君に差し上げるべきだと思われますか!」

お客さまは、大拍手を贈りました。
バーンスタインからマエストロに贈られたスカーフは、見事に甲斐史郎さんへと受け渡されました。

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(C)飯島隆

赤いスカーフを胸に、お客さまへご挨拶をする甲斐史郎さん。
本当にお見事でした!

しかし、本当のメインイベントは、この後に訪れます。
甲斐さんの表情は緩むことは有りませんでした。
ベートーヴェンの「第9」が始まります!

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(C)飯島隆

話は、ベートーヴェンが「第9」を作曲しているところから始まります。

ベートーヴェンは耳が聞こえなかったので、ピアノの脚をはずして床に置いて、床の響きを感じながら作曲したそうですが、そのシーンを再現します。
本当のピアノを脚を切って床に置く訳にはいかないので、ステージマネージャーの清水直行がピアノと同じ高さの台を作ってくれました

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(C)飯島隆

大植ベートーヴェンの向こうには、ピアノ2台が置かれていて、ベートーヴェンの頭の中から生まれてきた「第9」を一緒に演奏するのです。
上手ピアノ尾崎有飛さん、下手ピアノ甲斐史郎さんです。

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(C)飯島隆

苦しみながら生まれて来た「第9」の音楽は、1楽章、3楽章を経て・・・
やがて、歓喜の歌第4楽章へと進みます。

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(C)飯島隆

第4楽章のバリトンのソロが始まるまでの間、ソリストは一人づつ登場。
夢の中のソリストは、少々オーバーな演技をしながら入場して来ます。
ソリストはソプラノ西田真由子さん、アルト福嶋あかねさん、テノール松原 友さん、そしてバリトン大谷圭介さん。
そして、大阪フィルハーモニー合唱団が続きます。

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(C)飯島隆

ピアニスト、そしてクワイア席に並ぶソリストと合唱団に向かい、大植ベートーヴェンは作曲しピアノを弾きながらも、指揮をします。
4楽章はカットなしの、全曲演奏です。
ピアニスト、ソリスト、合唱の皆さんは、正直合わせるのに大変だったと思います。

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(C)飯島隆

曲の最後には、台から離れて渾身の指揮をする大植マエストロ。

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(C)飯島隆

前代未聞!にして世界初!
そりゃそうです。 こんな事、他に考えるマエストロはいないと思います。
大成功! そういって良いんじゃないでしょうか。

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(C)飯島隆

尾崎有飛さんと甲斐史郎さんは本当に大変だったと思います。
オーケストラの全パートを2台のピアノ、いやいやマエストロの弾くピアノも合わせて3台のピアノで表現しました。

途中から違和感なくひと足早い「第9」を楽しんだ!という方が多かったと思います。
最初は、マエストロが寝転んでピアノを弾いたり指揮している姿を見て、笑い転げていた女性の方が、最後には感極まって泣かれていたのが、とても印象的でした。

拍手喝采、ブラヴォーの嵐! どうもありがとうございました。

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皆さまとともに記念写真を撮影しました。
左から、尾崎有飛さん、松原友さん、福嶋あかねさん、西田真由子さん、大谷圭介さん、甲斐史郎さん、そして「第9」の直筆譜を持つ大植英次マエストロ。
皆さま、お疲れさまでした。 そして、合唱団の皆さまも、お疲れさまでした。


第62公演(14:30 本願寺津村別院 北御堂) 
オーボエ浅川和宏、ピアノ浅川晶子


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(C)飯島隆

今年2度目の真宗本願寺派本願寺津村別院(北御堂)での公演。
この写真がいちばん雰囲気が伝わると思います。

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     (C)飯島隆

プーランクのオーボエソナタを吹くオーボエトップ奏者・浅川和宏。
奥さまと息の合ったプーランクのソナタが大本堂に響き渡っていました。


第63公演(15:00 カフェ・ド・ラ・ペ) 
ヴァイオリン鈴木玲子、チェロ林口眞也、ピアノ田口友子


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(C)飯島隆

3日目に夜のザ・フェニックスホールで聴いたチャイコフスキーのピアノ三重奏「偉大な芸術家の思い出に」が、お昼間のカフェ・ド・ラ・ペで演奏されました。

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(C)飯島隆

ヴァイオリン鈴木玲子、チェロ林口眞也ともども、名手です。
チャイコフスキーのこの曲、大曲ですがそんなに聴く機会がある訳ではないのですが、サスガは「大阪クラシック」、2回も演奏されました。


第64公演(15:30 京阪電車なにわ橋駅アートエリアB1)
ヴァイオリン渡辺美穂、高木美恵子、ヴィオラ上野博孝、チェロ石田聖子


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(C)飯島隆

こちらも3日目の第20公演で、日本センチュリー交響楽団のメンバーが取り上げたボロディンの弦楽四重奏曲第2番を、大阪フィルのコンマス渡辺美穂率いるカルテットで演奏。
まったく違う演奏になるのが面白いですね。

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(C)飯島隆

この曲、知らない!と言われる方も、第3楽章は聴いた事がお有りだと思います。
美しいメロディが満員の京阪電車なにわ橋駅アートエリアに響いていました。


第65公演(17:00 中之島三井ビルディング)
サックス岩田端和子、平田洋子、陣内亜紀子、前田幸弘


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(C)飯島隆

大変な盛り上がりの中之島三井ビルディングです。
サックスカルテットも人気がありますね。
音色てきにも綺麗にハーモニーを作るので聴いていて違和感が無いのも良いです。

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(C)飯島隆

沖縄のサウンドや、カルメンのスペイン風の音楽など、曲を知らなくても身体が反応する。
しかし、何と言ってもいちばん盛り上がったのは、アンコール「アナと雪の女王」より‘レット・イット・ゴー’でした。


第66公演(18:30 中之島ダイビル)
大阪交響楽団公演
ヴァイオリン吉岡克典、木村良子、ヴィオラ糸川麗子、チェロ大谷雄一


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(C)飯島隆

ザ・シンフォニーホールの前日リハーサルを終えて、ダッシュで来て頂きました。
大阪交響楽団のメンバーによる弦楽四重奏です。
彼らが取り上げた曲が、ステンハマル、ニールセン、ガルデルの曲。
ニールセンは名前くらいなら聞いた事があるかもしれませんが・・・。

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(C)飯島隆

知らない曲をこういった機会に知ってほしいというこのカルテットの思いからの選曲でした。
良いですね、賛成です。
無料で色々な曲を聴けるこういう機会に、珍しい曲を楽しんで欲しいです。
知的好奇心の枠を少し広げる事が、クラシック音楽を聴く動機になる部分って有りますよね。


第67公演(18:45 オリックス本町ビル)
マンドリン大西功造、ギター加治川岳


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(C)飯島隆

マンドリンとギターのデュオ・・・
やはりお約束とも言える「第三の男」から始まり、「太陽がいっぱい」、「オー・ソレ・ミオ」と続きます。

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(C)飯島隆

「チャルダッシュ」や「スペイン風奇想曲」など、超絶技巧の曲なども楽しく、オーケストラの楽器とは違った魅力を伝えて下さいました。
昔のスクリーンミュージックって、本当に素敵な曲が多いですね。


第68公演(19:45 ザ・シンフォニーホール)
指揮:大植英次、管弦楽:大阪フィルハーモニー交響楽団


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(C)飯島隆

「大阪クラシック」9年目なので、テーマは「究極」・・・「9極」。
究極の交響曲9番をお聴き頂きましょう!
大植英次マエストロが語ります。

「クラシックで9番というと(第九の呪い)を思い出します。 ベートーヴェン以降、190年間、音楽家が苦しんできました。 9番目の交響曲をどう遣りすごすか。 ドヴォルザークは「新世界より」とは書いたが、9番とはスコアのどこにも書いていません。 マーラーの「大地の歌」のハナシも有名ですね。 今日は交響曲第9番の名曲を3曲選びました。 ドヴォルザークは第2楽章、ブルックナーも第2楽章、マーラーは第4楽章を演奏します。 皆さまはこれを1曲の交響曲のようにお聴きください。」

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(C)飯島隆

そんな話で始まったザ・シンフォニーホールでのコンサート。
「新世界より」で始まりました。

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(C)飯島隆

第2楽章といえばこの楽器、イングリッシュホルンを吹く大島弥州夫です。

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(C)飯島隆

それにしても、こんなプログラム、かつて有ったでしょうか。
楽章の抜粋とは言え、ブルックナーとマーラーの9番を一緒に演奏、しかも続けて演奏するなんて。

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(C)飯島隆

そんなアイデアを色々と持っているのが大植マエストロです。
昨年が、ブラームスの交響曲を4番から順に第4楽章を演奏しました。
一昨年は「究極(9曲)のベートーヴェン!!」と題して、交響曲1番から9番まで順に第1楽章を演奏。
この時は、アンコールが「第9」第4楽章の最後のプレスティッシモからを演奏。
このためだけに、トロンボーンやピッコロなどを用意しました。

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(C)飯島隆

ネットを見ていると、このコンサートのアンコールは何か?といった予想をしている方がいらして、皆さまも楽しんで頂いているんだと嬉しくなりましたが・・・
マーラーの交響曲9番第4楽章の後には何も演奏出来ません。

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(C)飯島隆

大植マエストロも同じ気持ちで、開演前のトークの時にお客さまに話しをされました。
「皆さまにお願いがあります。 マーラーが終わった後はどうか拍手をなさらずに、無音のままでいてください。 その間に私はステージを降ります。 これ、私の長年の夢でした。 どうぞご協力をお願いします。」

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(C)飯島隆

そして、実際に第4楽章のラスト、音楽が消え入るように静寂に変わった後も、
拍手は一切起こらず、マエストロは静かに去って行きました。

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(C)飯島隆

そしてコンマス田野倉雅秋の合図でメンバーは立ち、お客さまにご挨拶をしましたが、なんか拍手する気になれない、客席はそんな感じだったように思いました。
 これは、大植マエストロが我が儘を言っているのではなく、「マーラー9番の最後は、拍手をせずに、感動のままにそっと帰りたいのではないですか。」というお客さまの気持ちを代弁した発言だったようにも思えました。

いずれにしましても、マエストロの指揮に凄い集中力でメンバーは応え、渾身の静寂を作って行った訳で、その後にブラヴォーや拍手喝采は、ちょっと違和感を感じるのは実際のところでした。

色々あった6日目も終了しました。

「大阪クラシック」はいよいよ最終日を残すだけとなりました。

どうぞ御堂筋~中之島周辺にお出かけ下さい!
そして一緒に感動のフィナーレを迎えましょう。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

(広報:H.I)


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